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就職活動で挫折…“元引きこもり”が年収200万円を稼ぐまで社会復帰できた理由

 年収200万円台でも、お金に頼らず人生楽しんでいる人がいるという。そこで、近所のガソリンスタンドでアルバイトをしながら郊外の持ち家で暮らしているという40代男性を取材した。
年収200万で楽しく暮らす

田中さん宅の周辺には空き家も多いという。「郊外で家賃さえ抑えられれば、年収200万円でも満足できると思います」(田中さん)

就職氷河期世代の“元引きこもり”が社会復帰できた理由

 現在42歳の田中浩二さん(仮名)は、就職氷河期直撃世代。就職活動で心が折れて以来、10年以上、埼玉県の実家で引きこもり生活を送っていた。 「高校生の時に母が亡くなり、12年前に父が亡くなりました。長男だったのでやむを得ず葬儀を取り仕切ることになり、そこから社会復帰できたんです」  しかし、すでに30代の田中さんに正社員の働き口はなく、近所のガソリンスタンドでアルバイトを始め、今に至る。年収は200万円だ。 「幸い実家が持ち家なので暮らしていけます。でも、老後が不安で少しずつNISAとiDeCoで投資を始めました。最近だと、Oisixの株が上がりました。自分で使って便利だったので、僕くらいの暮らしをしている人にものすごく需要があると思ったんです」
年収200万で楽しく暮らす

元来、自作PCを作るくらい凝り性なこともあり、投資の勉強にも熱が入っている

引きこもれる家があれば、年収200万円でも社会に戻れる

 元引きこもりならではの着眼点というべきか。学生の時に親が拾ってきた愛猫との生活にも不満はなかったという。 「猫は23歳になってトイレもうまくできず、仕事から帰ると介護で一日が終わる。でも、引きこもり時代をともに過ごした家族なので、幸せでした」  だが、その愛猫も今年2月に天国へと旅立ち、心境にも変化が。 「やっぱりスキルが身につく仕事に就きたい。父の死が引きこもりから抜け出すきっかけになったように、ちび(猫)の死も人生の転機になる予感がしています」
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両親と愛猫・ちびの遺影に手を合わせるのが日課

「引きこもれる家があるなら、年収200万円からでも社会復帰できる」と田中さん。中高年の引きこもりが社会問題となるなか、田中さんの未来がその希望の光になることを願う。 ★生きるヒント……引きこもれる家があれば、年収200万円でも社会に戻れる <取材・文/週刊SPA!編集部>
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