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<ネタバレ>『鬼滅の刃・無限列車編』の煉獄杏寿郎が炭治郎を守ったワケ

言葉がきっかけで物語が動く

 猗窩座の誘いの言葉が、かえって杏寿郎を奮起させたのは皮肉な結果ですが、「鬼滅の刃」では、「誰かの言葉をきっかけに、過去の行動を思い出し、それが決断や行動の理由になる」という描写が繰り返されています。  霞柱の時透無一郎は、炭治郎の「他人のためにすることは巡り巡って自分のためになる」という言葉をきっかけにして、失っていた記憶がよみがえり、性格が変わりました。水柱の冨岡義勇も、炭治郎の「義勇さんは錆兎の思いを繋いでいかないんですか」と問いかけられて、錆兎とのやりとりを思い出して、鬼殺隊の訓練に参加するようになりました。 『鬼滅の刃』に限らず物語では「人物の影響」が描かれ、それがキャラクターの決断や行動の理由になっています。ただ「勇敢だから」とか「正義感が強いから」といった性格だけでは、納得する理由にはなりません。私たちは無意識に決断や行動の理由を人間関係に求めているのです。杏寿郎と母親のやりとりはそのことを物語っています。 「人物の影響」は物語だけでなく現実にも当てはまります。私たちは「お金」や「物欲」や「効率」や「成功」を理由にして、決断や行動をしようとします。しかし、本当は「自分は誰のことを気にしているのか?」にこそ真の理由があります。人間のモチベーションになるのは、どんな時も人間なのです。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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