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アルピニスト・野口健が緊急提言!尖閣諸島を守る切り札

デジタル博物館で中国領土と世界発信

尖閣諸島

中国のデジタル3D博物館には、尖閣が中国の領土である証拠とする歴史文献がいくつも展示されているが、正当性のないものばかりだ

 尖閣諸島の実効支配を目論む中国が10月3日、尖閣が自国領土であることをアピールする「中国釣魚島数字博物館」を開館した。釣魚島とは、尖閣諸島に属する魚釣島の中国名だ。緑豊かな公園にそびえる巨大なコンクリートの博物館に入ると、広大なロビーに鎮座する石碑に刻まれた「中国釣魚島」の文字が目に飛び込んでくる……だが、ここはネット上のデジタル博物館なのだ。  中華思想を世界中に拡大することを目指す中国にしては珍しく、説明言語は中・英・独・仏・日本語など8種類に及び、3つある展示室には解説選任スタッフまで常駐している。  中国はかねてより世論戦、心理戦、法律戦の「3戦」を世界に向けて仕掛けてきている。デジタル博物館は、中国の利益になるよう国際世論に影響を及ぼす「世論戦」の一環と見ていいだろう。  一方、日本はどうか。10月25日、安全保障上重要な施設周辺や離島などの土地所有者を調査できるようにする基本の整備を、政府が検討しているのが明らかになった。外国人の土地取得状況を把握することが目的だが、残念ながら、日本の世界へ向けた情報発信は巧みとは言えないのが現実だ。  そんななか、中国の脅威と最前線で向き合っている沖縄県石垣市が孤軍奮闘している。  中国の国慶節(建国記念日)の10月1日、尖閣諸島に新しく与えられた郵便番号を発表。同市では6月に尖閣諸島の字名(地名)をそれまでの「字登野城」から「字登野城尖閣」に変更していた。地名を「尖閣」と明記することで、尖閣諸島が日本固有の領土であることを内外にアピールしたのだ。 【野口健氏】 アルピニスト。環境保護活動家。’99年、世界七大陸最高峰の最年少登頂記録を更新。エベレストや富士山の清掃登山、ネパールでの学校開設など、多岐にわたり活動。 <取材・文/齊藤武宏>
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