更新日:2020年11月30日 15:51
カーライフ

クラウンSUV化のウワサに愛好家の反応は? 若手クラウンオーナーの主張

なぜクラウンを世界展開しなかったのか?

 このようにクラウンは、ずっと続いている稀な高級セダンでありますが、それ以上に珍しいのが、日本国内専用という点でしょう。もちろん、東南アジアやオーストラリア、近年では中国への輸出があるようですが、ヨーロッパやアメリカ市場などには輸出されていないのです。  日本国内でセダン需要が下がっているならば、高級セダン需要がある欧米圏で「ベンツ・BMWに対抗できるEセグメント」として強いのではないかと思うところですが、現行型ですら欧米圏への輸出がありません。実は、初代に関してはアメリカに輸出していたようなのですが、その評判が良くなかったらしく、それ以降「クラウンのアメリカ展開」はトヨタにとってある種のタブーなのかもしれません。
ベンツSクラス

歴代モデルが並ぶベンツSクラスのカタログ(W140の時代からこうだった)

 ただ、輸出を考慮しなくなったということは、クラウンにとって良い結果をもたらしたとも言えます。ほかの輸出される国産車とは異なり、クラウンは「日本人が日本人のために作った」という色が濃く出ています。これは個性としてすごく強いと思うのですが、そういったモノは海外で売れないと思われているのかもしれません。これまで、トヨタに限らず輸出用の日本車は、国内用とはキャラクターが異なるといった傾向があり、「日本人のために作ったモノ」は海外でウケないと思われているように感じます。  けれども時代は「本物志向」。アメリカ人もカルフォニアロールより、本格的な寿司が食べたいわけなので、日本人のために作ったモノが受けないと決めつけなくてもいいと思います。

クラウンらしいセダンを作って海外でも売ればいいのに

「本物志向」という時代背景から、原点にかえって「クラウンらしいクラウン」を作れば、海外でも受け入れられるのではないかと思うわけですが、その一方で、今の日本国内におけるクラウンのメインユーザー層は、世代的に「クラウンらしいクラウン」が好きでない可能性があります。  私の母は1956年生まれなのですが、「クラウン=ダサい」みたいな感覚がありますし、ほかの同じ世代でもそういった感覚を持っているように感じます。しかし、その一方で若いクルマ好きは「古いクラウン」が好きという人をよく見かけますし、実際私の友人(20代)は、8代目クラウンを7年間乗っています。  ですから「クラウンらしいクラウン」は、日本の若い人や、海外のクルマ好きにこそウケる可能性があるといえます。
8代目クラウン

友人の8代目クラウン

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ベンツにも対抗できるのにもったいない
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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