更新日:2020年12月04日 16:14
エンタメ

和牛なき「M-1」の準決勝。全26組の激闘を元ファイナリストがレポート

◆Cブロック

 トップバッターはピン芸人「おいでやす小田」君と「こがけん」君からなるユニットコンビ「おいでやすこが」。準決勝が行われる1週間前に衝撃の発表があった。それはピン芸人の頂点を決める「R-1グランプリ2021」の出場資格の変更である。今まで「芸歴不問」だった大会が何の猶予もなく「芸歴10年以内」に変更された。決勝経験者である彼らは突然出場資格を失った。「おいでやす小田」君に至っては5年連続決勝進出中だったのだ。2人は最高のパフォーマンスを披露した。個々でR-1決勝へ行く実力者のいい部分を融合させて会場は大爆発。ユニットコンビ初の決勝進出となった。
おいでやすこが

おいでやすこが

「おいでやすこが」の空気が残る中、2番手に登場したのが昨年のファイナリスト「オズワルド」。落ち着いたものである。ブレることなくしっかりと自分たちの空気に持ち込み貫禄さえあった。順当な決勝進出である。
オズワルド

オズワルド

 3番手は「キングオブコント2020」のファイナリストでもある「ロングコートダディ」。空気感的には「オズワルド」に似ている。そうなるとネタ自体が比較される。ウケは悪くない感じだっただけに同じ展開の繰り返しに感じさせたことがもったいなかった。
ロングコートダディ

ロングコートダディ

ブロックが違えば、きっと結果も違ったかもしれない

 4番手は昨年のファイナリスト「インディアンス」。彼らは明るい。自分たちで空気も作れる。だからこそ空気ができていないところだったら目立てるところだったが、すでにCブロックはいい空気が流れていた。Bブロックで出ていればまた違った展開になっていたのではないか。
インディアンス

インディアンス

 5番手は2017年から準決勝に進出している「東京ホテイソン」。彼らがついに決勝進出を決めた。ツッコミ担当たける君が地元岡山の郷土芸能「備中神楽」を生かしたツッコみを決めるのだが、腐ることなく毎年進化させて決勝の舞台へ向かう。審査員がどんな反応をするのか? 楽しみで仕方がない。
東京ホテイソン

東京ホテイソン

 6番手は「コウテイ」。今年大阪の新人賞である「ABCお笑いグランプリ」も受賞し勢いに乗る。「絶対に決勝へ行く」。その気合は全面に出ていた。しかし、その思いをネタに込めることができず、空回りしている感じに見えた。俺も現役時代は「気合系漫才師」だった。だからこのスタイル、嫌いじゃない。敗者復活戦での立て直しに期待したい。
コウテイ

コウテイ

次のページ
1年で「最下位」から「優勝候補本命」に
1
2
3
4
5
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

記事一覧へ
おすすめ記事