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菅首相が「選挙に勝てない総裁」と判断されたらどうなるか?/倉山満

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昨年9月14日、自民党総裁選を終えた(左から)岸田文雄前政調会長、安倍晋三前首相、菅義偉首相、石破茂元幹事長。’21年、菅首相は総裁でいられるのか…… 写真/時事通信社

財務省は鉄壁の防御で、景気対策のための、財政出動を阻止する布陣だ

 昨年は世界中がコロナ禍に明け暮れた1年だった。  その中で我が国では、長く続きすぎた安倍晋三政権が退陣し、菅義偉首相に事実上の禅譲がなされた。コロナ対策に関して、菅首相は「安倍政権の方針を引き継ぐ」と宣言している。当分は、右往左往するだろう。  コロナ禍で経済は落ち込み、自殺率も上がった。特に女性の自殺率は激増であり、飲食業や観光業は悲鳴をあげている。この経済苦を和らげるためには財政出動で現金給付などの政策が必要なはずだが、財務省が握る財布の紐は緩まらない。  その財務省で、驚天動地の人事が行われたのをご存じだろうか。財務省ナンバー4の阪田渉官房総括審議官が財務総合政策研究所長に左遷された。しかも国会会期中、予算編成作業の真っただ中に。阪田氏は、5年以内に官僚のトップである財務事務次官に就くと見られていた逸材だが飛ばされた。代わって総括審議官に就いたのが、新川浩嗣元首相秘書官だ。新川氏も財務省のエースと目されており、安倍内閣の末期の首相官邸に入り込み、財務省悲願の消費増税10%に貢献した。  政治のプロでもなかなか知らない人事だが、度重なる財政出動圧力にさらされている財務省で強烈な引き締めが行われたのだ。財務省は鉄壁の防御で景気対策のための財政出動を阻止する布陣だ。  覚悟しておいた方がいい。  昨年は検察人事で揉めに揉めた。安倍前首相は桜を見る会の疑惑で不起訴になったが、菅首相は「安倍再登板」を警戒している。検察にとっても悪夢だ。菅首相は弱小派閥しか率いていないので、政権の難しいかじ取りを迫られるが、検察が表舞台に出てきたときは政争が激化していると見た方がいい。

世界に目を移すと…

 さて、世界に目を移すと、大国の指導者が交代する。一つはアメリカ。1月にジョー・バイデンが大統領就任式を行う。  台頭する中国が取って代わるのを警戒はするだろうが、バイデン政権の最優先事項は環境問題である。バイデン政権は「第七艦隊を動かすと地球環境を汚染させる」などと言い出す勢力も抱える。対中包囲の手綱が緩むと見做して構えておくべきだろう。  もう一つはドイツ。この国は、アンゲラ・メルケル首相の後継問題に明け暮れることとなる。今のドイツはヨーロッパの要だが、中国やロシアに対する態度がどうなるかは、我々日本人の関心事でもある。  そのロシアは、中国との同盟を堅持しつつ、ヨーロッパには強く出ている。宿敵のトルコなど、今やウラジーミル・プーチン大統領と盃をかわすかの如き態度だ。  昨年、トルコの手下のアゼルバイジャンが、ナゴルノカラバフ紛争を起こし、勝利した。ナゴルノカラバフはアルメニアに奪われていた土地だが、アゼルバイジャンは取り返した。この動きの背後には、アルメニアがロシアから離れNATOに接近しようとしたのを看取したトルコとアゼルバイジャンが、プーチンの了解を得て紛争を仕掛けたとされる。このような紛議がロシアの周辺では多発しているのだが、プーチンは舎弟の手綱を引き締め直すだろう。
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「選挙に勝てない総裁」と、もし菅首相が判断されたら
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