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“尿が入ったペットボトル”が部屋に500本も…ゴミ清掃芸人が語る「衝撃的なゴミ屋敷」の実態

さまざまな「感染リスク」も…

ゴミ屋敷

これだけのゴミ屋敷だと、さまざまな感染リスクもあるという…

——お仕事をされて、ひたすら不潔といったこと以外に、危険な体験とかありましたか? 柴田:真夏の時期は地獄ですね。なにしろ、上から下まで完全防備の作業着なので、汗みどろになります。着用するマスクの中も汗がたまり、マスクを外すと汗水がひとかたまりになって落ちるくらいです。そして、しまいには汗も出なくなります。熱中症にかかったこともありました。  それから、インシュリンなどの注射の針も怖いです。感染リスクがありますので、それが1本でも出てくると、緊張します。その時点から、作業は慎重にならざるをえません。片付けのペースが落ちるので嫌ですね。  他にも噛まれるとすごくかゆくなる「南京虫」が、たくさん出できたこともあります。昔はよくいたそうですが、最近また増えているそうです。  *  *  *  ゴミ屋敷の清掃は、単なる片付けにとどまらず、社会のさまざまな問題を映し出す仕事。高齢者の孤立や認知症、極端な面倒くささ、そして衛生環境の悪化……。そこには、人間の暮らしの“最果て”とも言える現実がある。  次回も引き続き、柴田さんのインタビュー記事をお届けする。 取材・文/鈴木拓也 【柴田賢佑】 1985年北海道生まれ。20歳で芸人を目指し上京。2007年に柳沢太郎とお笑いコンビ「六六三六(ろくろくさんじゅうろく)」を結成。2016年より、芸人活動のかたわら、生前整理、遺品整理、ごみ屋敷の片づけなどを行う会社に勤務。2024年にお片付け団体「お片付けブラザーズ」を設立し、関東を中心に、片づけの手伝いやリユースサポート、発信などを行っている。著書に『ごみ屋敷ワンダーランド ~清掃員が出会ったワケあり住人たち~』(白夜書房)がある。 X:@ATAMADAINAMIC
ライター、写真家、ボードゲームクリエイター。ちょっとユニークな職業人生を送る人々が目下の関心領域。そのほか、歴史、アート、健康、仕事術、トラベルなど興味の対象は幅広く、記事として書く分野は多岐にわたる。Instagram:@happysuzuki
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