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借金地獄サラリーマン「債務整理した後のほうが大変」

 ’10年に全面施行された改正貸金業法の影響で多重債務者は減少しているというデータはあるものの、その一方、金融各社の営業努力によってむしろ借金はしやすくなっているともいえる。それは、昇給もままならない時代の会社員にとってはまさに渡りに船ともいえるが……。  なかには、借金で首が回らなくなり「債務整理」の道を選ぶ現役サラリーマンも。ここでは、その実例を紹介しよう。 ◆債務整理をしても地獄続行!金欠になっても借りられない
借金地獄サラリーマンが断言「債務整理した後のほうがカネが借りられなくて大変」

事務所の二段ベッドで休む佐藤さん

 借金地獄を逃れる手段として知られる任意整理だが、それでも苦難が続くケースがある。5年前に借金120万円を整理した佐藤貴博さん(仮名・34歳)が話す。 「当時は消費者金融2社とクレジットカードで120万円の借金があり、自分ではどうにもいかなくなって債務整理をしました。最初司法書士の先生にクレジットカードを全部出して『いきますよ』と目の前で全部切り刻まれましたね」  債務整理後は、月3万円×3年で元金を完済するはずだったが。 「最初の数か月ぐらいは真面目に返していましたが、1回滞るともう気が向いたら……という感じで。先生に確認したら『調停のときに利息分が復活するかもしれないですよ』と言われましたが、無視。そんな調子で、完済するまで7年もかかってしまいました」  現在、派遣社員で手取り10万円程度。給料日前は数百円の残高で生活しているという。カードも作れず、カネが足りない月は友人からの借金で食いつなぐ日々に「債務整理したあとのほうがカネが作れなくて大変ですよ」と嘆く。 「完済した1か月後に、審査が通りやすそうなカードを申請してみましたけどダメでした。家賃を払うのもキツくなったので、今は月2万円払って、友人の経営する会社の事務所に住まわせてもらっています。任意整理をしてリセットのつもりだったんですけど、金欠体質からは抜け出せない。給料日にギャンブル行って負けて、『今月どうしよう』の繰り返しです。残債の返済の見通しも立ってないし、学習能力ゼロですね……」  借金は1度リセットできても、人間の中身まで変えるのは難しい。  6/9発売の週刊SPA!に掲載されている『30~40代[借金地獄](秘)報告』では、上記のような現役借金サラリーマンが続々登場。また、「住宅&車のローンを除いて借金が50万円以上ある30~45歳の会社員200人」に大アンケート取材を敢行。「借金をしたきっかけ」「借入先」「債務整理を考えたことは?」などの傾向が明らかとなっている。さらに、借金芸人として名を馳せるグランジ・佐藤大氏や元ヒルズ族の磯貝清明氏の「借金とのうまい付き合い方」まで掲載。現代サラリーマンの借金事情最前線がまるっと理解できる内容となっているため、借金をしている人もそうでない人もぜひ必読されたし! <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
週刊SPA!6/16号(6/9発売)

表紙の人/広瀬すず

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