<実験>身近にある「混ぜたらキケン」な物を混ぜてみた
―[日常に潜む[混ぜたらキケン]図鑑]―
<ドクター・クラレの実験室>
◆アルカリ性洗剤+アルミ箔=水素ガス発生
水酸化ナトリウムを含んだアルカリ系洗剤を、アルミ缶に小分けして使った経験のある人もいるかもしれない。それがどう危険か実験で考察してみよう。
水酸化ナトリウム水溶液に丸めたアルミを沈めてしばらくたつと、アルミから小さな気泡が発生。これが水素ガスだ。気泡はじわじわと増え、水素ガスを出し続けた。これが密閉されたアルミ缶の内部を圧迫し、さらにアルミ容器が溶かされて脆くなっていたので破裂したのだ。専用の容器以外に移すのは厳禁だ。
◆乾燥剤+水=発熱
海苔のパックやせんべいの袋などに入っている石灰乾燥剤は、身近であるがゆえにあまり意識しないもの。しかし実際、ゴミで捨てた乾燥剤から出火した例も報告されている。そこで乾燥剤から生石灰を取り出して、水に浸ける実験(※)を試みた。結果、反応は鈍く大きな熱量は得られなかったものの、ティッシュを焦がす程度の発熱を確認。軽度の反応だが、発火の危険があるのは明白だ。処分する際には、水分を含んだものとは別にするなどの対処を心掛けたい。
※実験方法……まずはトレイの上に乾燥剤の中身である生石灰を出し、水を加える。その上にティッシュを置いて放置しつつ、経過を見守った。結果としては焦げる程度だったが、かつて大火災の原因となったこともあるので注意が必要だ
【ヘルドクター ドクター・クラレ氏】
危ない化学が大好きで、自著が有害図書に指定されることもしばしばの「不良科学者」。著書に『図解 アリエナイ理科ノ教科書』シリーズなどがある
― 日常に潜む[混ぜたらキケン]図鑑 ―
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