男性の「冷え性」…放っておくとED、うつ病に!?
「冷え性は女性特有のもの」と思っている人は多いだろうが、最近は男性の冷え性も増加中だ。ニッセンが今年7月に発表した「男女の季節感に関する調査」によると、自分が冷え性だと認識している男性は43%もいるという。
特に男性に多いのが、ストレスに起因する「全身冷え性」というものだ。
「この冷え性では、全身的な自律神経のトラブルにより、体温調節の機能に異常が生まれているので、精神性の疾患やEDなどに結びつく可能性も高いです。朝昼夜と体温を測ってみて、その変動が1℃以上ある人は、このタイプの冷え性の疑いがあります」(全国冷え症研究所所長・理学博士・鍼灸師の山口勝利氏)
一方、医師であり医療ジャーナリストである森田豊氏は、ストレスと冷えの関係を次のように解説する。
「ストレスで交感神経が高ぶる→血管が収縮する→血流が適正に行き届かなくなる……という流れにより、この冷え性は生まれます。この仕組みは、ペニスの血管が広がらなくなり、勃起不全になるEDと似ているので、EDが併発する可能性が高いわけです」(森田氏)
冷え性の根本的な予防になるのは、やはり生活習慣の改善。「過度な冷房を控える」「首、お腹、足先を良く温める」「体を冷やすものの摂取を控え、体を温める食べ物を積極的に摂る」「運動をする」などが大切だ。
「激しい運動は交感神経を高めてしまうので、『エレベーターを使わず階段を上がる』『軽いストレッチをする』程度と、多めに歩くことを意識するだけでも十分です。それだけでも筋肉量の減少を緩め、交感神経の昂ぶりを抑えることで、冷え性対策になります」(森田氏)
なお「冷え性の人で大きな病気がある場合は、体の冷え以外にも、明らかな異常が心身に表れているはず」(帝京大学医学部准教授・新見正則氏)とのこと。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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