年賀状を「出さない」より「一斉メール」のほうがNG【ビジネスマナーの新基準】
―[SPA!ビジネスマナー研究班]―
ビジネスマナーとは時代に合わせて変遷していくもの。35~45歳の会社員300人(メーカー、金融、ITの各業界より100人ずつ)を対象に、いまどきの「ビジネスマナー感覚」を探ってみた。自分の中では「まったく問題ない」と思えた行為が、他人の目には「社会人失格」と映ることもある。あなたは一線を踏み越えていないだろうか……!?
◆年賀状を“出さない”より“一斉メール”のほうがNG
ケータイの番号を変えたのを、業界のエラい人に知らせないでいたら怒られた……というのは、どこかで聞いたような話だが、今回の調査でも電話番号、メールアドレス共に「変更のお知らせなし」は大不評。「送ったメールがエラーで戻ってきたりした日には、付き合いを“整理”されたんだなあと思うしかない」(43歳・保険営業)というのが、多くの人の反応だろう。
携帯電話の場合、番号を変えずにMNPできるケースがほとんどなのであまり心配はないが、注意したいのが最近はやりのMVNOにMNPするとき。会社によっては手続きに数日間を要し、それまで“空白の期間”が生じることがあるのだ。
不幸にもその間に重要人物から電話がかかってきたら大ごとである。
「“即日開通”に対応しているMVNOをきっちり下調べしてから乗り換えた」(36歳・精密機械)というのが、社会人としてのあるべき態度なのかも。
とはいえ、「人づきあい」に関するマナー違反は、概して許容度がユルいという結果に(約半数の項目が「セーフ」判定)。とりわけ、職場とプライベートにまたがる人づきあい(結婚式に呼ぶ、葬式に出る)は、ほとんど重要視されていない。
毎年この時期になると浮上する「年賀状問題」についても、「一切送らなくて問題はない」でノープロブレム。もっとも、これが「一斉メールで年始のあいさつ」になると、一気にキケン度が急上昇する。
「手抜きの一斉メールを送るくらいなら何も送らないほうがマシ」(45歳・生保)
この「手抜き」というキーワードはいまどきのマナー違反を考える上で欠かせないようだ。
★『人づきあい』のビジネスマナー[許さない!]の新基準・調査結果
※メーカー、金融、ITの各業界より100人ずつの回答者により計300人中、NG判定者が66%以上=「超キケン」、50~65%=「キケン」、49%以下=「セーフ」
【超キケン】
・携帯電話の番号を変えたのに知らせてこない 81%
・メールアドレスを変えたのに知らせてこない 77%
・(忘年会、歓送迎会などの)イベントの出欠確認メールへの返事が遅い 77%
・特にあいさつもないまま、いつの間にか会社を辞めていた 76%
・1回しか会っていない仕事相手に、SNSで友達申請する 74%
【キケン】
・義理チョコをもらったのにホワイトデーにお返しなし 62%
・年賀状代わりに一斉メールで年始のあいさつ 53%
【セーフ】
・(忘年会、歓送迎会などの)イベントへの欠席が多い 48%
・職場の人間の親族の葬式に出ない 39%
・結婚の報告を、上司より先に仲のいい同僚にする 38%
・職場の人間の慶事に疎い(「子供って男だっけ、女だっけ?」など) 36%
・年賀状を一切送らない主義 32%
・職場の人間を結婚式に招待しない 31%
・出張帰りなのに職場への手土産なし 30%
●業界別比較……金融業界では14項目中10項目が“NG”判定
全体平均では半数の項目が “セーフ”判定だったが、金融業界に限定すると、実に75%以上の項目が”超キケン”に。上司の親の葬式に出るのも、同僚の子供の性別を覚えておくのも必修科目。より密接な人間関係が要求される職場なのだ。なお、「年賀状の一斉メール」はIT業界に限ってはセーフ判定だった。
取材・文/SPA!ビジネスマナー研究班 アンケート協力/エコンテ ハッシュタグ