集団暴行も…凶悪化する大阪ミナミのぼったくり事情
「客引き行為禁止条例」が市議会で可決される見通しがたつや否や、大阪・ミナミの歓楽街ではそれを逆手に取るようにぼったくり店が急増。条例施行前に凶悪化する実情と背景に迫った!
◆日本初の条例施行寸前で、大阪が“修羅の夜”になる
客引き行為に対して、日本で最も厳しいとされる条例が10月1日から大阪市で施行される。それが「客引き行為適正化条例」で、適正化重点地区とされたエリアでは飲食店の客引きが事実上できなくなる。
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「キャバクラや風俗店、無料案内所のキャッチはすでに禁止されていますから、今回の条例は居酒屋やガールズバーなどの飲食店の客引きに網をかける規制です。何度も繰り返す悪質な客引きに関しては、5万円以下の過料まで科せられます」(在阪の社会部記者)
現在の焦点は、どの地区のどの範囲までを重点地区に指定するか。現段階ではまだ明らかになっていないが、条例案が議会に提出された時期からミナミの歓楽街の飲食店のオーナーたちはミナミが重点地区の筆頭候補だと理解していた。
「キャバクラよりも手軽に開業できるのがガールズバー。老舗の有名店なら別でしょうけど、HPすら開設せずに最初から客引きありきで営業している店がほとんどですわ。ただでさえギリギリの利益で集客しているのに、規制されれば店を閉めるしかないわな」(ミナミのガールズバーのオーナー)
過去に未成年を雇って摘発されたガールズバーも、未成年ならば安い賃金で雇えるため、利益に目が眩んで違法行為に手を染めていた。数千円から数万円を加算請求する“プチぼった”もそうだ。最近では主に出張客や気弱なタイプの客に狙いを絞ってぼったくる。普段からミナミで飲む常連客にはぼったくりをしないから表面化しなかっただけなのだ。昨年末に被害に遭った四国から旅行に来た30代男性は訴える。
「2時間で5万円を請求されて『払え』『払わん』の押し問答。食い逃げで構わないから『とりあえず警察を呼べ!』と言って、実際に警官を呼んだんですが、料金の説明も『言った』『言わない』で口論となって、最後には警官が店側に『半額にしてあげたら?』という“示談”で折り合いをつけて、2万5000円を払った」
だが、今年に入ると事態は一変。「客引き行為適正化条例が施行される前こそ稼ぎ時」と考えた悪質業者らが凶悪化し、今年4月には支払いをめぐって客を集団暴行。ガールズバーの経営者や従業員が逮捕されるという事件まで起きた。
「数十万円を請求して拒否すると殴る蹴るは当たり前。金品を奪い、足りなければコンビニのATMで現金を下ろさせていた。10件を超える被害届が出ていたようで、警察も本腰を入れて内偵を続け、系列店を含めて一斉摘発。犯人たちは逮捕も覚悟だったようで、背後関係が疑われています」(前出・社会部記者)
現在、ガールズバーの客引きに紛れてキャバクラや闇スロットの客引きもミナミの街頭に立つ。ガールズバーの客引きの大半は読モ風の20歳前後の女のコで、後者はいわゆる黒服の男たちだ。
「実は東京都の新宿や池袋の客引き行為などを規制する条例によって、客引きたちが大阪に流れてきた。キャバクラの客引きとスカウトを兼ねているような連中は東京からやって来た連中が多い。規制されたときの対処法は、彼らもよく知っているから非常に重宝されている」(キャバクラ店の店長)
ガールズバー同様、ぼったくりのキャバクラが再び現れたのもここ最近だ。店舗前で客と黒服が料金をめぐって口論。有名キャバクラが閉店となる2時、3時すぎからこうした悪質店が泥酔客に狙いを定めて客引きをするという。
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