第102回

02年2月1日「食わず嫌いしないで」

・スタジオジブリの新作『ハウルの動く城』がクランクインしたそうだ。

・原作は『魔法使いハウルと火の悪魔/ハウルの動く城』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/徳間書店)。’80年代後半に生まれたこのファンタジー小説が、コンピュータゲームの概念に大きく影響されていることに、ジブリのクリエーターさんは気づいているだろうか。

・この小説はまるごとテレビゲームのメタファーになっている。と、そこまで言ったら言い過ぎか。でも、ネットワーク・ゲームの世界をモニターの向こう側の視点から描写した作品だという解釈には納得してもらえると思う(てゆーかこれ、ゲームマニアの人に本当におすすめの小説!)。アニメ界のお偉い方々もこの機会にせめてFFくらいはプレイしてみてほしい。

02年2月4日「ゲームラボで特集必至」

・東芝系のam3社から、GBA(ゲームボーイアドバンス)にスマートメディアを使うシステムが発表された。

・早い話、GBAにアダプターを差し込み、書き換え可能のメモリーが使えるようにするもの。それで大容量の映像ソフトなどを再生させることができる。32Mのメモリーに動画なら約24分間入る。実際に見せてもらったが、画質はかなり良い。地上波テレビ用に制作されてきたドラマやアニメなどは、これで結構いけちゃうかも。

・もちろんゲームならではの操作に向いた環境だから、デジタルマンガやデジタルアニメの再生環境として、かなり使えるんじゃないだろうか。デジタルコンテンツはネット配信だけでなく、こういうインフラに発信していくこともできるわけだ。

・ちなみに仕掛け人は「’90年代の電通の顔」と呼ばれた吉田望氏。メディア関連各社を巻き込んでの戦略が準備されていると思う。PS2にとってのDVDプレイヤー機能と同じような付加価値をGBAに与えていくかもしれない。

02年2月5日「今さら」

・中島らも氏が大麻で逮捕されたそうな。それは仕方ないかもしれないが、非常に不可解なのはあわてて氏の連載中止を決定した雑誌や新聞だ。編集者は原稿依頼している作家の本を読んだことなかったんだろうか。

・ところで中島らも氏の経歴を堅いメディアが語る時はたいてい「灘高校から大阪芸術大学放送学科に進学」と出る。いいじゃん大阪芸大だけで。

02年2月7日「なんかこのビル空気が濃いですね」

・我が中野ブロードウェイ(「我が」と言えるのは、ここの地権の4917分の5は僕のものだからであるフフン)に、タレントの八木亜希子さんがやって来た。

・「TOKYO CONCIERGE」(Jwave)という、東京のエンタテイメントを紹介するラジオ番組の中に旬な場所をレポートするコーナーがある。「中野ブロードウェイ」を取り上げるということで、案内役を頼まれたのだ。

・構成担当の鈴木裕史さんはもしかしたらちょっとしたジョークとしてこの企画を仕組んだのかも。この番組は通常は汐留やお台場の先端スポットを訪れているのである。それがいきなり中野ブロードウェイに来させられて八木さんは呆然と立ちすくんでいた。一流グルメ番組のつもりでゲテモノ料理屋に連れてこられたようなものである。2月16日オンエア予定。

2005.03.26 |  第101回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。