第267回

6月22日「桃月学園に合格(?)」

・スクエニからコラムの依頼。『ぱにぽに』単行本の同梱ブックレット(初回限定)企画でメガネオンリー本を作るということらしい。氷川へきる先生からのご指名ですから……と、編集者のそういう頼み方はたいていウソなのであるが、しかしあの超美少女メガネ作家のためにメガネ原稿を書く光栄を断るわけにはいかない。

・しかも。「桃月学園の文芸部が作る学内誌」という設定で、「渡辺さんはそこで一人の文芸部員として書いて欲しい」ということなのである。ということはつまり、僕は公認で桃月学園の生徒になることができたということである。どうだい萌え萌えだろ?

6月24日「続いてほしい」

・『ファウスト』からスピンアウトした『コミックファウスト』届く。マンガ誌としてはやや高い(1300円)けど、増刷難しそうな凝った作りなので、必要と思う人はがんばって買った方がいいと思う。

・思想性が高い作品が並んでいるが、現在のライトノベルやゲームのリズムを備えているおかげで、いわゆるカルト漫画誌になっていない。小説のボリュームも厚い。「ファウストの別冊としてテイストの強いマンガ雑誌を作った」というより「ファウストの進む方向に文芸誌のたがを外して思い切り進化させたらこうなった」という印象。

6月27日「平山夢明さんブレイク!」

・平山夢明先生が日本推理作家協会賞を受賞。おめでとうございます!漫画家の外薗先生、小野寺先生と、小説家の松原先生と一緒に、光文社主催のお祝い会に行く。

・平山さんは作家のファンが多い作家だ。男気があり、平山さんになら抱かれてもいいと言う人はとても多い(みんな男だけど)。一般的には実話怪談や都市伝説の語り手としての印象が強いと思うが、多方面にわたり、大量の、しかも手を抜かない仕事を長年続けて来られた方だ。これから文芸や映像の世界でも大ブレイクするはずである。賞はこういう人が獲ってこそ意義(誤解覚悟で書くと『経済効果』)があると思う。

・会場はホラー系、文学系、そして映画系と、多彩な顔ぶれ。僕としては不義理をしてる人にたくさんお会いして恐縮。以前、文庫に解説をお願いしたことがある作家・井上雅彦先生(平山さんの受賞作品「独白するユニバーサル横メルカトル」を収録した『異形コレクション』のプロデューサー)に、初めてお目にかかったり。

・大沢先生には「茶髪やめたのかい」と言われ(茶髪にしたことないです)某女流作家さんには「渡辺クンたらあたしのこと忘れたのウフフフ」と言われ(会ったことないです)集英社の野村さんからは「原稿さぼってこんなとこで何やってるんだい」と言われた(それは松原さんのことでした)。僕らは外薗ファミリーとして結界固めつつ悪酔い。

2006.07.02 |  第261回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。