第286回

11月13日「DLPでフレディを偲ぶ」

・新宿武蔵野館にて『フレディ・マーキュリー 人生と歌を愛した男』見る(25日は命日……もう15年も経ったんですね)。フレディの周囲にいた人々のインタビューを中心に、膨大な未発表映像を織り込んで、知られざる真実を解き明かしていく。フレディの妹さんがあまりにもそっくりなので驚いた。この人に歌の特訓をすれば、クイーン再結成も夢ではないのではないか。

・ゲイへの転向やHIV感染のプロセスなども丁寧に語られる。パブリックイメージとして彼が演じていたキャラクターは、70年代ロックシーンの自由奔放な雰囲気ゆえのものだったと語られるが、当然マイクは当時その現場にいたアーティスト達(ミュージシャン、デザイナー、カメラマン etc..)に向けられる。生き延びてしまった元・若者達の現在の姿も、非常に興味深かった。

・DLP上映。デジタル機器をセッティングできる劇場が増えてきて、こういうマニアックな作りの映画も、従来の単館上映とは違うスタイルで柔軟に公開されるようになった。

11月14日「ひきこもるために出かけよう」

・古い友人のIさんがNCジャパンに転職したというので遊びに行ってみることにした。が、その前にやはり『リネージュ2』くらいプレイしておかなくてはいけない。実は環境整えるのが面倒になって、オンラインゲームは久しくやっていなかったのである。ビギナーズキットを送ってもらっていたのだが、インストールするより早いと思い近所のマンガ喫茶に行く。

・やはり快適だった。完璧にセットアップされた環境でいきなり始められて、いきなりドはまりである。家で長時間ゲームやってしまうとその後しばらくはどんよりとなってしまうものだけど、こういう場所ならそういう後の引き方もしないで済む。

・そういえば自分のパソコンでMMORPGやっていたら別の作業やってる時も気が気でなくなるというのもネトゲから離れた理由だった。ひきこもりの人も、MMORPGだけはマンガ喫茶やネットカフェに出かけてやった方が良いかもよ。

・もちろん年輩ゲーマーや女性ゲーマーにも薦めたい。オンラインゲーム特にMMORPGの市場は国内100万人強で頭打ちとも言われるが、ネットカフェとケータイの使い方によっては、その壁を壊せるはずだ。

11月15日ショート・ショートをケータイで」

・11/20オープンの電子書籍・コミック配信サイト「魔法の図書館plus」(ドコモ公式)でも、ショート・ショート小説を配信することになった。有料になってしまうけど、がんがん読みたいという方は、こちらにどうぞ。

・昔書いた作品で普遍性があるものについてはこの機会に再生させようと思い、探し出しては手を加えている。その際できるだけ最初に書いた時の環境で書き直すことにしている。一番古いワープロ専用機では「平成」という字が変換されない。「けいたいでんわ」と打つと「毛痛い電話」と出る。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。