第376回

8月14日「夏終わる」

・ポケモンラリー完遂。そのスタンプ帳を送ると、10月頃、ピカチュウの貯金箱が届く。

・10月なんて子供にとってはるか先で、待ちきれないほど先で、待ってるうちに忘れてしまい、届く頃には大人になってる。

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8月15日「BRAINMASH」

・コミケのタイミングに上京するという声が多いので、お盆だけどカフェは営業。

・作家の作家性をコーヒーで著す、というプロジェクトに、手応えを感じている。奈須きのこさんのスペシャルブレンド「ブレインマッシュ」完成。

・もちろんネーミングも奈須さん自身による。脳が激しく刺激される味わい。僕も勝負の時にはこれを飲もう。

8月19日「地球の中心で、愛をさけぶ」

・『センター・オブ・ジ・アース3D』試写。全編立体映像。すなわち最初から最後まで偏光メガネを着けたまま観る。

・屋外、屋内、そしてCG合成、全てのシーンがはっきりくっきり、浮き出している。撮影機材の小型化と、立体感を設定する合成技術の進歩によるものだろう。ディズニーランドのアトラクションレベルの体験が、映画館で、しかも90分以上ぶっ続けで味わえるのである。画質も立体感もとても安定していて、疲れることなく、心地よく、見続けることができた。眼前に本当の空間がそのまま広がっていると錯覚してしまうほど自然なのだ。

・物語はジュール・ヴェルヌの『地底旅行』を現代版としてアレンジしたもので、つまり登場人物達はまず下へ下へと落ち続ける。そして地下世界に着いたら怪魚とか人食い花とか恐竜といった異形のクリーチャーに襲われ続ける。3Dのインパクトを持続するためだけに作られているわけだ。これは映画とは別のものとして評価するべきなのだろう。

・試写室で、ご自身でも立体映画を監督したりしている乙一さんとばったり。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。