第377回

8月20日「超絶フリークス映画」

・今さらだけど、書いとかなくちゃ。『崖の上のポニョ』について。SF映画史に残る傑作だ。遺伝子操作技術の暴走。神の領域に近づいてしまう人間。そして極限状態の地球上でこそ生まれる根源的「愛」。これは『ゴジラ』以来の超絶フリークス映画じゃないか!

・一人の作家の極私的な妄想世界を、メジャーでコマーシャルなプロフェッショナル達がよってたかって、金に糸目をつけずに実体化してしまった成果だ。そこに映画の原点の、「見世物小屋」の復活をみることができる。アニメやマンガには、演劇や映画の世界でタブーとされ消えていった視座を再生する可能性が、あったのだ。

8月22日「カフェときどき教室」

・なんと、島田荘司さんが、中野ブロードウェイに、うちの店に、降臨。島田荘司ブレンドの仕上げにじっくり付き合って下さった。

・夜は「一日漫画教室」開催。西島大介さんが、15名の参加者に2時間で漫画家になってもらうべく、入魂の指導。こういう、ゼミや私塾のようなレッスンにこの場所は向いている。いろいろやってみよう。

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8月24日「教室からカフェへ」

・やずや・やずや氏ご来店。講談社BOXの企画「ゼロアカ道場」という批評家育成プロジェクトの参加者だ。その流れで同人誌を作っているらしく、そのためにインタビューを受ける。

・偶然だがこの人、僕の早稲田の講義の生徒なのだった。そういえば講談社BOXというレーベルの位置付けについて以前この人と教室で議論したことがあった。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。