第455回

2月19日「一人飲みプレイ推奨」

・ふみいちさんに薦められて始めた『ヘビーレイン』(PS3/SCE)の作り込みが凄くて、唸りながらやっている。映像は最先端・高精細(そのせいで、それなりの映像環境を整えないと画面がみづらい)だが、1950年代フィルム・ノワールの雰囲気をたたえたサイコスリラー。登場人物は皆なにかしら問題を抱えていて、うらぶれていて、ちっともかっこよくない。そこがいい。

・さらわれた息子を取り戻すべく苦闘する親の様子など、のめり込んでプレイしていると精神的にクるシークエンスも多いが、どんなにリアルでもやはりCGなので救われる部分がある。この映像クオリティーがさらに上がるとしたら、プレイヤーののめり込みを拡散するために、例えば視点切り替えのペースを早めたりすることになると思う。そういう、新しいドラマツルギーが必要になってくるわけだ。

・ところでKカフェがテレビで紹介されて以来、一人でゲームとかやってるとよく人が来る。すみません、ほとんど僕専用にしているのです。

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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。