水質改善で50年ぶりに復活した東京都の海水浴場。利用者の反応は?
今年、東京で50年ぶりの本格的な海開きが行われた。
江戸川区・葛西海浜公園で18日からオープンした海水浴場。これまでは水質の問題により「顔を海面に付けない」という条件付きだったが、排水規制などによる水質改善により今年から「顔つけ」も解禁。一般的な海水浴場と同様の利用が始まった休日の様子をリポートしよう。
◆利用客はまばら
京葉線葛西臨海公園駅を降りて約10分。葛西臨海公園の西なぎさ敷地内には、バーベキュー会場、水族館、観覧車などが点在しており、この日は休日ということもあり、多くの家族連れや若者で賑わっていた。その敷地を抜け、橋を渡った先にあるのがメインの海水浴場だ。
しかしながら、着いてみると肝心の海水浴場は快晴の休日昼間というシチュエーションにもかかわらず、利用客はまばら。人気の江ノ島や湘南の海水浴場と比べるとその差は歴然としている。
◆地元住民も「ニュースで知った」
さらに利用客に聞いてみたところ、ほとんどが地元住民のようで、知ったのもつい最近のこととか。
「子どもが通う江戸川区の小学校で配られるチラシで知りました」(50代・女性)
「毎年ここには来ているが、海水浴場が復活していたのは今日知った」(20代・女性)
「テレビのニュースで見て来ました。ここは子供連れの人じゃないと利用しないかも」(30代・男性)
アカエイ対策の侵入防止ネットや、有料の更衣室・シャワーも設置するなど、より安全性を高めて集客を意識した試みを行っているが、現状はまだ幅広くは認知されておらず、近隣の住民たちが楽しむ“ローカル”な海水浴場のようだ。また、遠浅のため、遊泳解禁とはいえ、水遊びを楽しむ程度しかできない点も集客力には難もありそう。
地元のNPO法人「ふるさと東京を考える実行委員会」スタッフは「来年以降はエリアを限定せず、都外からの人たちも海水浴を楽しめる場所にしていきたい」と意気込みを語っているが、果たしてその努力は報われるだろうか。今後の動向に注目していきたい。
所在地:葛西海浜公園西なぎさ「遊泳ゾーン」(JR京葉線葛西臨海公園駅下車)
開場日:7月25日(土曜)~8月30日(日曜)の土日祝日、8月10日(月曜)~14日(金曜)のお盆期間中 会場時間:10:00~16:00まで
<取材・文/日刊SPA!取材班>

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