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自主制作ブログ本「小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい」と「塩で揉む」が話題に。著者の爪切男とこだまを直撃

 2015年11月に開催された同人誌即売会「文学フリマ」で、2冊のブログ本が大きな話題を呼んだ。爪切男(バッティングセンター店員)の『小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい』と、こだま(主婦)の『塩で揉む』の二冊。ともに同タイトルのブログに綴られた記事を一冊にまとめたものである。文学フリマでは異例の大行列を生み、それぞれ200冊以上があっという間に売れた。それ以降は「文学フリマに来れなかった人のために」通販を始めると注文が殺到。ともに累計1000冊を優に超えている。

爪切男が自主制作したブログ本『小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい』(1000円)

 そんな2人が、2016年3月18日に阿佐ヶ谷ロフトAでブログ本増刷を記念したイベントを開催する。そこで、彼らにイベント出演の意気込みを聞いてみた。 こだま:私はあまりネットに書けなかった夫の話、仕事で心身を病んでいた頃の話、母の日常写真などを公開する予定です。お互いブログに載せてはいけない話ができればいいなと思っています。  こだま氏はかつて同人誌『なし水』に「夫のちんぽが入らない」という実話エッセイを寄稿したことでも注目された。「交際してから一度もまともに“入らない”」以上の裏話が飛び出すのか、気になるところだ。  一方の爪切男は、ブログで呼びかけたことによって生き別れの母親と再会を果たした“奇跡の男”である。 爪切男:会場でしか言えない裏話が少ないので、30年振りに再会した母親との最近の日常を晒します。あとは最近、幕末好き(主に新撰組)の女に酷い目に遭わされたので、話すことがなくなったら、その女の悪口を言います。無名の新撰組隊士を知っているのは、レアなAV女優を知っていることと全く同じなんだと分からせてやります。  イベント前の予習として、ぜひ読んでおきたいブログ本。現在も通販で購入可能だ。2人にとって、一番「読んでほしい」ところはどこなのか。 こだま:職場で出会った「けんちゃん」という知的障害のある少年の日常です。彼は嵐のメンバーの金銭管理をしていること、自分のドームツアー計画、東京五輪に対する熱い思いなど、想像を絶する秘密をいくつも打ち明けてくれました。彼との出会いによって障害に対する考え方が変わり、私の前にもうひとつの世界がひらけました。 爪切男:冬木弘道似の車椅子の女性との初体験の話だけでも読んでいただければ、私は満足です。読んでほしい理由は、書いた本人がその話しか覚えていないからです。

こだまが自主制作したブログ本『塩で揉む』(1300円)

 3月18日、文学フリマから4か月ぶりに顔を合わせる2人。最後に、面と向かって言いづらい、お互いの印象を聞いてみた。 こだま:ブログで呼び掛けたら生き別れの母と兄が見つかった、という時点でこの人には敵わないと思いました。初体験が出会い系の車椅子女性、風俗嬢とプロレス、犬に欲情、不安障害……稀有な体験を重ねすぎた結果、何かの間違いで出来上がった気遣いの人、という印象です。作品と人柄が結びつかず、会うたび混乱します。 爪切男:こだまさんにお会いした時にいつも思うんですが、とんでもない難病を抱えていらっしゃるのに、そこはかとないエロさが身体から溢れ出ている素敵な女性です。相当エロいんでしょうね。私はプロレスラーの本とAV女優が書いた小説しか読まないために文章力が皆無なので、こだまさんの紡ぐ美しい文章にいつも憧れています。 ●爪切男/バッティングセンター勤務。犬が好き。ブログ「小野真弓と今年中にラウンドワンに行きたい」、日刊SPA!にて「タクシー×ハンター」を連載中 ●こだま/主婦。’14年、同人誌即売会「文学フリマ」に参加し、『なし水』に寄稿した短編「夫のちんぽが入らない」が大きな話題となる。’15年、同じく「文学フリマ」で頒布したブログ本『塩で揉む』は異例の大行列を生んだ。現在、『クイック・ジャパン』『週刊SPA!』で連載中。短編を大幅に加筆・修正した完全版『夫のちんぽが入らない』が1月18日発売。http://blog.livedoor.jp/shiod/ ※今なら「夫のちんぽが入らない」特設サイトにてためし読みができる!⇒http://www.fusosha.co.jp/special/kodama/
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“夫のちんぽが入らない”衝撃の実話――彼女の生きてきたその道が物語になる。

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