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外国人に対して“ユルユル”な日本の入国事情。犯罪に手を染める留学生・技能実習生も

 ’15年は6530万人もの難民が命の危険を訴え、世界をさまよった。一方、日本にも難を逃れ平穏に暮らす難民たちがいる一方で、制度を食い物にする“難民”たちも現れた。生死の境をさまよった末、辿り着いた国は楽園か?

「難民に対して門戸が狭い」非難を浴びる日本の事情

 中東情勢が混乱し、欧州に大量の難民が流入していることは日本でも知られている。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の統計によれば、’15年末時点で世界の難民は6530万人。前年より580万人増えて過去最多となり、世界は「難民の時代」に突入している。 ⇒【グラフ】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1222445 難民認定申請者数と認定者数 この事態に臨んだ安倍首相は、9月にニューヨークの国連本部で開かれた「難民と移民に関する国連サミット」において、日本は難民支援策として総額28億ドル(約2800億円)を拠出すると表明した。だが、’15年の日本での難民申請者7586人のうち日本政府が難民として認定したのは、たったの27人。素人目からすればいかにも少ない。これでは「難民に対して門戸が狭い」と海外から批判を受けても仕方がないだろう。

「入国すれば暮らせる」と難民認定申請者が急増

 ところが、出入国管理及び難民認定法(入管法)の運用面にフォーカスすると景色が変わってくる。 「難民申請した半年後から外国人でも日本で働くことができますし、審査結果が出るまでの間は滞在が認められ、却下されたとしても何度でも再申請が可能です。民主党の政権下でそのように改められました」と法務省入管担当者が説明するように、難民認定申請を繰り返すことで難民認定希望者は半永久的に日本で暮らせる。入国しさえすれば、彼らには道が開ける。  もちろん、この“優しい”状況に対して憂慮する声もある。 「最近は、ミャンマーやネパールから技能実習生として来日して企業に派遣されても、入社初日から会社に来ないで難民申請するケースが増えているようです」  そう語るのは、ベトナム人の技能実習生と日本の企業を仲介している協同組合グラン副理事長・五百部敏行氏。同協会のように、実習生を企業に紹介する立場からすれば信用が丸つぶれとなり、受け入れ先の企業としても、生産活動に大きな支障が出るのは必至だ。  しかし総体としては、その程度のリスクなど物ともせず、多くの企業が外国人技能実習生制度を利用している。少子高齢化や地方の過疎化などによる労働力不足は深刻で、背に腹は代えられないのだ。
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留学生問題に半ば呆れ気味な状況が
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