更新日:2022年08月07日 19:34
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外国人に対して“ユルユル”な日本の入国事情。犯罪に手を染める留学生・技能実習生も

 一方で、技能実習生・留学生を手駒としてリクルートしている犯罪組織も存在する。日本の今の状況をどう捉えているのだろうか。  日本で暮らして20年超になる自称カンボジア国籍の仲介業者Y氏と、来日して3年のベトナム人G氏との接触に成功した。 「Gはもともと、ベトナムの警察官を辞めて技能実習生として来日したが、今は派遣先の企業から逃げてきたので、匿っている」とY氏は流暢な日本語で説明する。  G氏はベトナムから技能実習生として日本に向かうための書類作りの名目で、ブローカーに120万円を支払っており、来日時点ではそれが丸々借金になっていた。バイク窃盗と海外密輸の片棒を担いで債務を返済し、まとまった資金を稼いだため、そろそろ日本を離れる腹づもりだという。飛行機に乗る際にオーバーステイで捕まってしまうのでは?と記者が疑問を投げるとY氏は「日本の入管法はユルユルだから」と鼻で笑う。 「国に帰りたくなったら、入管に出頭すればいい。逮捕されるのでなく自発的に出頭すれば、優良外国人とみなされて、1年後にまた同じ名前で日本に戻ってこれる」  またY氏は、来日してくるベトナム人ともともと日本にいるインドシナ難民との偽装結婚も仲介している。日本政府に定住を認められている難民と結婚すれば、外国人でも在留資格が与えられるのだ。 「あと5年ぐらいで、日本にいる外国人労働者の大半がベトナム人になる」とY氏は不敵な笑みを浮かべていた。 <日本と難民の関係年表> ’48年4月3日:韓国政府が済州島民を大量虐殺し、逃れた島民が大挙日本に流入 ’50年6月25日:朝鮮戦争が勃発し、戦火を逃れた韓国人が大挙日本に流入 ’51年7月28日:ジュネーヴで「難民の地位に関する条約」成立 ’53年7月27日:朝鮮戦争休戦 ’75年4月17日:カンボジアでポルポト政権成立 ’75年12月2日:ラオス人民民主共和国成立 ’75年:共産化したインドシナ三国を逃れた難民が大量発生し、日本は計1万1000人を受け入れ ’78年:「クルド人国家の樹立」を掲げてクルド労働者党(PKK)が活動開始 ’81年10月3日:日本が「難民の地位に関する条約」に加盟 ’88年:ミャンマーの市民権法により、ロヒンギャがミャンマー国籍を剥奪される ’91年1月17日:湾岸戦争勃発 ’91年2月28日:湾岸戦争終結後、約150万人のイラクのクルド人が難民化 ’09年9月16日:日本で民主党政権が発足 ’10年7月1日:日本の「出入国管理及び難民認定法」改正法が施行 ’15年10月16日:超党派による日本クルド友好議員連盟が発足 ’15年10月25日:在日本トルコ大使館前でトルコ人とクルド人の衝突が発生 ― 徹底ルポ[ニッポンの難民]を考える ―
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