更新日:2022年08月07日 19:34
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外国人に対して“ユルユル”な日本の入国事情。犯罪に手を染める留学生・技能実習生も

神に祈りを捧げる外国人たち

 そんなハードな現場で神経をすり減らす五百部氏が、半ば呆れ気味に眺めているのが留学生問題だ。 「日本語学校に通う生徒の約8割が、留学を名目とした出稼ぎ労働者です。技能実習生はあらかじめ決められた職種にしか就けませんが、留学生は週28時間以内で、風営法対象外の職種ならなんでも就労できます」  日本語教育の質向上を目的とする一般財団法人日本語教育振興協会(日振協)によれば、’15年末時点で日振協認定の日本語教育機関に籍を置く留学生は、約5万人。中国が過去10年にわたって不動の1位だったが、’13年からベトナムとネパールが異常なペースで増加しており、両国の出身者を合わせれば中国を抜いている。両国で日本語学習熱がかくも急に高まるとは、にわかには信じがたい。  日振協専務理事・高山泰氏は、「当協会の加盟校では、学生選抜のための基準を設けたり、各学校の生活指導担当者で会議を定期的に開いて、情報の共有に努めたりしています」と前置きした上で、留学生が起こす事件のうち、日振協加盟校の生徒によって引き起こされる事件は少ないと指摘する。 「最近、当協会に属さない日本語学校は年に40~50校ペースで増えていますが、定期チェックがされていません。我々がタッチできない以上、入国管理局が指導するしかないが、一校一校を管理するのは現実的に難しい問題です」  外国人への日本語教育によって日本社会へ貢献することを標榜する彼らにとって、日本語学校が出稼ぎと犯罪のイメージで語られることは、頭の痛い問題だろう。
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技能実習生・留学生を手駒としている犯罪組織も
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