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“ヒットマン”と“HBK”の暗闘:ブレット・ハートの場合――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第250回(1997年編)

 “レッスルマニア13”の前々日の3月21日には午後11時から午前1時の深夜2時間ワクの特番(USAネットワーク)で“スラミー賞”授賞セレモニーが放映され、アンダーテイカー(史上最大のスター賞)、ストーンコールド(言論の自由賞)、R・メイビア(ニュー・センセーション賞)、トリプルH(ベスト・ヘア賞)、セイブル(ミス・スラミー賞)らが各賞を受賞。ブレットとショーンは年間最優秀試合賞を受賞した。  この“スラミー賞”はいうまでもなくグラミー賞のパロディで、1987年の第1回から不定期でおこなわれてきたイベントだったが、この年のセレモニーは明らかにオトナの視聴者を意識したコンテンツになっていた。  大ボスのビンス・マクマホンはブレットとショーンの二者択一という現実的な命題を避け、“レッスルマニア13”の主役にはあえてアンダーテイカーをレイアウトした。  アメリカでは“13”は不吉な数字ということになっているから、プロデューサー的な視点に立てば、“レッスルマニア13”のキーパーソンは怪奇派のアンダーテイカー以外にはありえない。予告編にあたる“スラミー賞”は、さながらアンダーテイカーのワンマンショーだった。  ヒットマンはあくまでも“レッスルマニア13”をストーンコールドとの因縁ドラマのクライマックスととらえ、ショーンに対しては“完全無視”というスタンスを示した。(つづく)
斎藤文彦

斎藤文彦

※この連載は月~金で毎日更新されます 文/斎藤文彦 イラスト/おはつ ※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。
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