森友学園、教育勅語…小林よしのりが自称“愛国者”たちをバッサリ「無駄。バカバカしい」
一方、小林氏は保守を自任しつつも、自らが主宰する言論道場には日の丸を掲げていないと言う。
「形式主義にハマりたくないからです。日の丸を掲げさえすれば愛国心があることの証しとされ、ヘイトスピーチをやっても愛国無罪だと考える人間が現れている。国旗を掲揚し、君が代を歌い、靖国神社に参拝しても、それだけでは愛国心とは言わない。そういうのは愛国心というよりも石原慎太郎みたいな自己顕示欲だ」
愛国心があるように見られそうな行為をなぞり、同じことを周囲にも強制するのは、極めてグロテスクな光景だ。
「形式だけを守れば『この人は正しい』と認知されるようになってしまったのは、’98年にわしの『戦争論』が売れたのも一因なんです。この本では、戦時の神風特攻隊は国家権力のためではなく、『公(おおやけ)』のために死んでいったのだと描いた。なのに、『日本は悪くなかった』という部分しか読み取れない人たちがいて、間違った愛国心と排外主義を抱えてしまった。今の安倍政権を擁護して支え続けているのが彼らだ」
小林氏が言う「公」とは、個人に対置される公共を指し、天皇によって象徴される概念だ。
「『戦争論』では国と公が本来一緒になればいいと描いたが、この2つは今の日本のように、ズレることが多い。公である天皇陛下と、国である安倍政権が対立状態にあることは、今回の退位問題で明白になった。わしはもちろん天皇陛下につく」
君主の心に逆らう者を逆臣と呼ぶなら、彼らが唱える“愛国”とは一体なんなのだろうか。
【小林よしのり氏】
’53年、福岡県生まれ。’86年『おぼっちゃまくん』でギャグ漫画界に旋風を起こす。’92年、SPA!誌上で『ゴーマニズム宣言』の連載をスタート、時事問題を斬るスタイルで人気に。最新刊は『天皇論 平成29年』
― “愛国者”の暴走が止まらない ―
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