更新日:2018年05月11日 16:51
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ジャパニーズ・メタルバンドが“自身のバンドのテーマ曲”を持っているワケ――「BABYMETAL DEATH」「X」「LOUDNESS」…

テーマ曲の源流はBAY CITY ROLLERS

 ではLOUDNESSは、何を参考にしたのだろうか。おそらくヘヴィメタルではないと思う。というのも、LOUDNESSの前身バンドであるLAZYのデビュー・アルバム『This is the LAZY』(1978年)の1曲目が「レイジーのテーマ」だったのだから。
02レイジー

LAZYのデビュー・アルバム『This is the LAZY』

 そしてこれは、BAY CITY ROLLERSのデビュー・アルバム『Rollin’』(邦題『エジンバラの騎士』、1974年)の1曲目「ベイ・シティ・ローラーズのテーマ」をなぞっているものと思われる。  LAZYは、売り出すにあたってBAY CITY ROLLERSを参考にしていたというのは有名な話。つまり、ジャパメタ・バンドが、自身の名を冠したテーマ曲を持つというフォーマットの源流は、BAY CITY ROLLERSだったという答えにたどり着く。

ジャパメタとアニソンの意外な共通点

 ここで、ジャパメタとアニソンの共通点を指摘したい。アニソンというのは、男児向けの『マジンガーZ』、女児向けの『キャンディキャンディ』など、いずれの場合もサビに番組タイトルまたは主役キャラ名を連呼するケースが多い。「番組冒頭に番組タイトルを冠したテーマ曲を流す」というフォーマットである。  TVアニメの主題歌というのは、番組の顔であり、視聴者の心を掴まなければならない役割を課せられている。オープニングテーマ曲で、番組タイトルまたは主役キャラ名を連呼するという手法は、非常に効果的であり合理的だ。  筆者は物心つく前から、ロボットアニメの熱心な視聴者だった。そして1983年放送の『銀河漂流バイファム』をきっかけに、アニオタの道を歩むこととなった。  そして、ロボットとは、鉄・重金属をまとったヒト型兵器であり、そのイメージにもっとも相応しい音楽ジャンルはヘヴィメタルだった。しかも、ジャパメタとアニソンには、自身の名(バンド名・ロボット名・作品名)を冠したテーマ曲を持つという共通のフォーマットがあった。  だからこそ筆者はそこに同じニオイを感じ、アニソンからジャパメタに移行しやすかったのだろうと、今、振り返ってみて思う。この方程式は聴く側だけではなく、演奏する側にも当てはまりそうだ。つまり、ジャパメタ・バンドがアニソンを唄うのは非常に相性が良く、また合理的でもあるということだ。いずれ書く予定だが、このことを証明したのが、アニメタルであり、JAM Projectであろう。  アニオタの皆さんで、食わず嫌いだった方々は、是非ジャパメタを聴いてみてください。新しい世界が開けるかもしれませんよ。
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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