友だちは選びぬいていつまでも、がサブゥーの流儀――フミ斎藤のプロレス読本#086【サブゥー編エピソード6】
たぶん、ホーガンは「きっと友だちになれる」というシグナルを送ってくれたのだろう。神話をつくったホーガンもそれほど友だちは多いほうではない。
ホーガンは、サブゥーのなかにある独りぼっちで生きる才能のようなものを見抜いていた。ハルカマニアは「ミスター・シークによろしくPlease say hi to Mr.Sheik」といって電話を切った。
デトロイトで開催される“ハロウィン・ヘイボック”では、シーク様がサブゥーのセコンドについてくれる。口に出してはいわないけれど、偉大なる伯父はようやくリングを降りる決心をしてくれたようだ。
赤い革のうえにゴールド・プレートのアメリカ合衆国の地図がのっかったオリジナルのUSヘビー級王座のチャンピオンベルトは、やがてサブゥーに継承される。王座防衛戦ができないベルトだとしても、そんなことはどうだっていい。
友だちは選びぬいていつまでも、がサブゥーの流儀である。群れのなかに入ることはどうしてもできないから、これからも友だちはあまりできないかもしれない。シーク様も、サブゥーが群れのなかで“その他大勢”になってしまうことを極端に嫌う。
大切な友人をつくり、大切な人たちとの約束を守ること。プロミスは守りとおせなければプロミスにならない。
どったんばったんバンプをとりつづけていたら、あっというまに10年がたってしまった。それほど大きくはない体があとどのくらいもつかだってわからない。でも、ニッコリ笑える日だってたまにはちゃんとある。(つづく)
※文中敬称略
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ1
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