食中毒になる前に「泣いて定食屋を切る」オヤジの決断【コラムニスト木村和久】
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その182 ―
ポテトサラダによる食中毒騒動は、提供したチェーン店が全店閉鎖に追い込まれました。結局、感染ルートが見つからず、客足が遠のく一方。これでは営業できないと判断した模様です。
このように食の安全に関する問題は他人事ではありません。以前、かき揚げ入りのうどんを食べて、プチ食中毒になり、自ら出入り禁止にした店がありましたが、今度は某定食チェーンで問題が起こりました。
それは今年の春から何回も店に注意を促しているのですが、一向に改善されてないことです。
何が気になっているかというと、某定食チェーンの湯呑茶碗の内側にこびりついている茶渋です。半年前、その定食チェーンで食事をし、セルフサービスのお茶をポットから入れようとしたら、湯呑茶碗の内側がどっぷりと茶渋に覆われて面食らいました。当初は事務的に内側が白くて綺麗なやつと、取り代えていました。
ですが、別の日に行くと、また茶渋がついている。湯呑茶碗を代えようと別の湯呑茶碗を選んだら、それも茶色だった。次々に選ぶがことごとく汚い。「ちょっと、これはないんじゃないの」と従業員を呼んだら、すぐに綺麗な湯呑茶碗を持って来て、その日は収まりました。
しかし、たまに行くとまた湯呑茶碗の内側が依然として茶色い。これはほうじ茶だから、仕方ないかもしれませんが、でも白地に茶色い汚れだと、凄く目立ちます。茶色や黒の湯呑み茶碗だったら、良かったのにと思いますが。
そんなこんなで時々注意していましたが、全然治らず、これは企業体質の問題だなと、半ば諦めていたのです。
そして今回のポテトサラダ騒動が起こりました。たかが茶渋と言いますけど、こういう部分の衛生管理の意識があるかないかは非常に大事だと思います。まさかコロッケやサラダを挟むトングから細菌が移るとは思わないでしょ。茶渋が残るのは大して茶碗を洗わないからです。あるいは、お茶を入れたまま放置しているとか。食器の洗浄の実態がどうなっているか、本当の部分はわからないです。そこで最後のお願いともいうべき、手段を取りました。
お店で汚れている茶碗を見せると、女性従業員が「すいません。すぐに取り換えます」と言うから、「そういうことじゃないんだ」と。「このことを店長などの責任者に報告し、今後いかに茶碗を綺麗に保つかを考え、茶碗の洗浄を徹底させて下さいね」と言って店を去ったのです。ここで「責任者を呼んで下さい」というと、面倒臭くなるからやめました。その後どうなったかは、分かりません。
今後の対処ですが、しばらくは行きません。もし行ったとしても、その店では金輪際お茶を飲まないことにしました。さすれば、湯呑を見ることも使うこともないから心が休まるってものです。本質的には店の衛生管理問題だから、解決策になってませんが、現実の案として受け入れざるを得ないでしょう。
というのも、飲食店というのは客からのクレームをほとんど聞かないことが多いです。厳密に言うと聞きはするが、それが上の管理部門には到達しないんですね。おそらく炎上にでもならないと、懲りないんじゃないかと思います。
過去にこんな体験もしています。新しく釜めしのチェーン店が近所にできたので行ってみました。その店はやる気満々で、従業員が「何か要望があれば、アンケートに書いて下さい。よろしくお願いします」と言って、店の料理やオーダーに関するアンケート用紙を配りまくってました。けど、そのアンケートを配っている段階で、頼んだ釜めしが遅過ぎて半ギレ状態でした。だから「あのね、このアンケートに釜めし30分経っても、まだ来ないって書けばいいの?」と、嫌みたらしく言いました。すると、アンケート係の従業員は「誠に申し訳ありません」と言って、厨房に逃げてオーダーの催促をしておりました。
お客さんに対して聞く耳を持っているのは、素晴らしい企業姿勢だと思います。でもオーダーが滞っているときに、アンケート用紙をまく必要はないと思うのですが。
最近は食レポなどのネット記事が氾濫して、店側もナーバスになっているようです。たかが1000円程度の食べ物に対して細かいクレームを聞いていたら、店が機能しない。そういう意見もあります。けど、その些細な1つのクレームで店がまるごと吹っ飛ぶこともあるんですよね。
すべての業種においてクレーム対応はやりづらい時代になりました。それは意見を聞いていると、業務が滞るというシャレにならない事態になるからです。ですから、店の電話応対を無しにして、メールのみの苦情しか受けない企業もあります。
自分の判断で「ちょっとこの店はおかしい」「やばそうだ」「汚い」と感じたら、こちらから出入り禁止にして、行かない手はあると思いますよ。たまたま寄った店ならいいけど、家の近所とか、よく通っていた店を切るのは心苦しいですが、衛生面では譲れません。
「泣いて馬謖を斬る」という故事成語がありますが、我々も、泣きながら馬謖を斬った、諸葛亮の気持ちを察し、次のような決断をしましょう。

木村和久
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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