銀座ホステスの恋愛事情――銀座最年少ママ桐島とうかの「漆黒革の手帳」
二人は結局一緒に泊まることになり、奈央ちゃんはとっても嬉しかったそうです。もうお客様としては見えていなかったのでしょう。
しかし翌日の朝、奈央ちゃんが先に帰ろうとすると、お客さまは、奈央ちゃんを呼び止め、中身がパンパンに詰まった袋を渡してきました。
「これ、もらって。ありがとう。気を付けて帰ってね」
袋の中身は大量のお札。その行為に奈央ちゃんは尋常じゃないショックを受け、袋をお客様に押し返し、
「私は○○さんのことが好きでここに泊まったんです」
とだけ伝え、二度と連絡をしませんでした。そのお客さんからも、それから連絡はなかったそうです。
ですが、そのお客様は後日、Aちゃんがいなくなってからお店に来て、私にお話ししてくれました。彼が、Aちゃんが嫌々仕事として自分に付き合ってくれたのだと思いお金を差し出したのか、奥様や彼女がいて、責任逃れの為にお金を差し出したのかわかりませんが、
「Aちゃんが本当に好きだったのに」
と涙していたのを鮮明に覚えています。
ホステスだって、普段は普通の女の子の気持ちを持っています。それを世間は認めてくれず、女を出すと、ホステスという商品として扱われてしまうことがあるのです。そして今回のAちゃんのエピソードでもそうですが、ホステスはお客様を愛してしまったら、失ったときに、恋人と売上の両方を失うことになるのです。私だったら耐えられません。ですから、私はホステスがお客様を好きになることを推奨できませんし、お客様と実際に恋愛しているホステスもほとんどいないと思います。
本音を言えば、今のご時世、奥様がいようが彼女がいようが関係ないと思っていますし、素敵なお客様も沢山いらっしゃるのですが。最近一番お店にいらしてくださっているお客様が、先日、占いで私との恋愛の相性を診断し、最悪だったそうです。でも、こうおっしゃってくださいました。
「ママとは恋愛の相性は悪いらしいけど、ビジネスパートナーとしては最高だってことだよね」
いつも沢山の方を連れて来店してくださるお客様を、私は心からお慕いしています。
【桐島とうか】
’92年生まれ。’15年に学習院大学経済学部卒業。学生時代に起業して失敗し、水商売の道に進む。銀座にあるクラブ「Monterey」でママを務め、銀座のママとしては現在最年少。お店に来ている顧客数は2500人、個人の月間売り上げは1000万を越える。習い事はフラメンコ、ゴルフ、料理。趣味は仮想通貨投資、競馬、着物など’92年生まれ。’15年に学習院大学経済学部卒業。学生時代に起業して失敗し、水商売の道に進む。銀座にあるクラブ「Monterey」でママを務め、お店に来ている顧客数は2500人、個人の月間売り上げは1000万を越える。習い事はフラメンコ、ゴルフ、料理。趣味は仮想通貨投資、競馬、着物など
1
2
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ