更新日:2022年12月30日 09:29
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ハイボールの語源は? チェイサー=水じゃない? 知ってて得するお酒の話

「チェイサー」=水ではない!

 もう一つ、注意して使いたい単語をご紹介しましょう。「チェイサー」です。ウイスキーをストレートで飲む場合に出てくるお水や味の付いていない炭酸水のことです。アルコール度数の高いウイスキーでしびれた口内をリセットしたり、閉じている香りを開かせたりします。単純に体の負担を減らすという意味もあります。どれも、ウイスキーを口にしたあとに水を飲むので、チェイサーと呼ばれています。  お水や炭酸水のかわりに、ビールなどほかの飲み物をチェイサーにするのもアリです。筆者も、初めて行くBARでカッコつけたい場合など、ウイスキーのチェイサーに黒ビールを頼みます。チェイサーは、ウイスキーやジン、ウォッカ、ラム、テキーラといった強いお酒をストレートで飲んでいるときに飲むものと考えるといいでしょう。

強いお酒をお水が追いかけるから「チェイサー」といいます。お酒の風味を感じて欲しい場合、氷なしの水を出すところもあります

 もちろん、水が欲しいなら「お水をください」と注文しましょう。ビールやハイボールを飲んでいるのに、「チェイサーをください」は変です。もちろん、バーテンダーは何も言わずに水を出してくれるでしょう。  お金を払うお客様は一切気にする必要はないという意見もあるでしょう。その人が知らないなら揚げ足を取る必要もありません。せっかく、この記事を読んでくれたのなら、このキホンを知っておくのも悪くはないと思います。  ちなみに、古き良きBARでは、ウイスキーをストレートで飲んでいればチェイサーを出してくれますが、ロックを飲んでいる客には出さないこともあります。これは、氷が入っているからです。もちろん、チェイサーを頼めば出してくれますが、間違っても「この店は手を抜いている」なんて考えないでください。  寿司屋では客が会計をするとき「お愛想」と言いますが、客側が使うべき言葉ではありません。わさびが「なみだ」、醤油が「むらさき」も雑学としては知っておくべきですが、実は客として使える単語ではないのです。もちろん、寿司屋側は会計をしてくれますし、わさびも醤油も黙って出してくれますが、常識的に振る舞って損はありません。それと同じことです。  ハイボールはウイスキーのソーダ割のみに使う、チェイサーはウイスキーまたは同程度に強いお酒のストレートを飲んでいるときに頼むもの、この2点、押さえておきましょう。そして、もう一つ、ほかの人が飲んでいるときに誤用したとしても、あげつらうようなことはしてはいけません。もし、教えてあげるとしても、とことんやさしく、わかりやすく伝えるようにしましょう。それが30代の大人の振る舞いです。 <文/柳谷智宣> 柳谷智宣
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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