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75歳でバイトを掛け持ち…年金は月20万円、持ち家もあるのに働き続ける事情

 平均寿命は4年連続過去最高を更新し「人生100年時代」といわれる一方で、年金制度はいつ破綻するかわからない昨今。もはや定年後も働くのは当然、死ぬまで働き続けるしかない時代の生き抜き方とは? ガス検針

妻と一緒にガスメーターの検針で生活費を稼ぎコツコツ暮らす

 今年で75歳になる槙田勇次さん(仮名)は、10年前に健康食品・器具の会社を退職し、52歳になる妻とアルバイトを掛け持ちして生計を立てている。 「今の仕事はガスメーターのチェックとポスティング。健康のために自転車や車で移動し、およそ月300軒を1週間ほどで回ります。妻はほかに化粧品会社の工場でアルバイトをしているので、月収は二人で大体20万円弱」  これに年金月20万円を合わせると、月収は40万円ほどで、貯金は2000万円。住んでいる3DKのマンションは数年前に一括で購入しているので、ローンもゼロ。わざわざアルバイトを掛け持ちしなくても十分生活できそうに思えるが、 「今の妻とは再婚なのですが、高校生になる連れ子がいます。子供のこれからの教育費や、妻の老後も考えると貯金には手をつけられません」と槙田さんは語る。 「僕は、30歳目前でサラリーマンをやめて、健康食品・器具の会社を設立したんです。折しも世間は健康ブームやバブルが到来し、業績は右肩上がり。当時の最高月収は300万円を優に超えました。結婚して娘も2人生まれ、すべてが順調でした」  また、居酒屋やスナックの経営も同時に行い、月収は常に3桁をキープ。都内に土地込みで1億円近い豪邸を建てたが、次第に歯車が狂っていった。 「忙しすぎて家庭を顧みなかったことが原因で離婚し、家は8000万円で売却。娘のために4000万円を養育費として払い、残りはローン返済に充て手元にはほとんど残りませんでした」
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60歳で巡り合った37歳の妻
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