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ヤフーのユーザー格付け「Yahoo!スコア」は拒否できるのか?

~柳谷智宣の「デジタル四方山話」第51回~

 ヤフーが、7月1日から「Yahoo!スコア」を使ったビジネスソリューションを提供すると発表した。「Yahoo!スコア」とは、Yahoo! JAPAN IDユーザーのアカウントと膨大な行動履歴を元にしたビッグデータから算出した指標のこと。要素は4つあり、本人確認の度合い、信用行動度合い、消費行動度合い、Yahoo! JAPAN利用度合いのそれぞれをスコア化。さらには、その4つを集約した総合スコアから構成されている。

7月1日から提供が開始される「Yahoo!スコア」

具体的にヤフーはどうやってユーザーを格付けするのか?

 本人確認の度合いとは、登録した住所や氏名、電話番号、メールアドレスなどの登録率や有効率から算出される。さらには、何らかのサービスで住所確認や本人確認をしているかどうかも影響する。信用行動の度合いは、ヤフオク! での取引実績や評価、Yahoo! JAPANへの支払いを滞納していないかどうか、宿泊や飲食店の予約のキャンセル率などを算出している。  消費行動とはYahoo! JAPANカードやYahoo! ウォレットの利用金額、利用度合いとはそのままYahoo! JAPANサービスの利用頻度を参照している。ちなみに、現在はユーザーが自分のYahoo!スコアを確認することはできないが、今後提供することも検討しているという。  このスコアを他の企業に提供することで、その企業のビジネスに活用してもらおうというのが狙い。Webサイトでは、本人確認の簡略化や、優良顧客への特典の提供、取引リスクの軽減と言ったメリットを打ち出している。

ユーザーのビッグデータから算出されたスコアを、企業が活用できるようになる

実証実験では一定の関連性が認められているが……

 この「Yahoo!スコア」は、2018年10月から行われた実証実験から生まれた。シェアリングエコノミー協会や株式会社一休といった12社1団体が参画し、「Yahoo!スコア」をどのように活用できるのかを試したのだ。  その結果、すでにいくつかの活用事例が公開されている。例えば、シェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を提供しているOpenStreetでは、スコアを参考に優良と思われるユーザーを抽出して特別料金を提案したそう。  実は、日本に先立って中国ではシェアサイクルブームが起きたが、すでに破綻しかけている。ビジネスモデルがきちんとできていなかったこともあるが、多くの自転車が壊されたり、指定場所に置かなかったり、盗んだりされているのも原因だ。  もし、そんなことをしなさそうな優良ユーザーのみを囲い込めるならサービスにとっては大きなメリットとなる。そんな時に「Yahoo!スコア」が活躍するというわけだ。実際、実証実験の結果、「Yahoo!スコア」とマナーの良さに一定の関係性も認められたという。

シェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」

 仕事を依頼したい企業と仕事を求めている個人をマッチングさせるプラットフォームサービス「ランサーズ」も実証実験に参加した。やはり、フリーランスが仕事を取るためには自分から積極的に動く必要がある。この手のプラットフォームサービスではプロフィールだけ登録して、待ちに徹する人が多いのだが、それでは結果につながらない。  実証実験の結果、「Yahoo!スコア」とランサーズでの提案数や積極性を示す指標に一定の関係性が認められたそう。これは、企業にとっても、やる気のあるユーザーにとっても、メリットが大きい。

仕事マッチングのプラットフォームサービス「ランサーズ」

 とはいえ、企業とお行儀のよいユーザーだけがメリットを受けるのは納得がいかない! というユーザーもいるだろう。もちろん、個人情報を勝手にビジネスに利用することはできず、「Yahoo!スコア」を提携企業が利用する際には、ID連携を行う必要があり、その際の同意画面でユーザーの同意を得る必要がある。ユーザーはここで拒否することが可能だ。
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ユーザー側でオフにできる?
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