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千葉「台風被害」を拡大させた本当の原因。なぜ県と国の初動が遅れたのか

政府・行政の対応の遅れを指摘する声も

 被災地では多数のボランティアが復興にあたり、自衛隊が被災地支援のために奔走している。だが、普通の暮らしを取り戻すには程遠い状況はなおも変わらない。そのため、政府・行政の対応の遅れを指摘する声も上がっている。全国紙記者が話す。 「台風上陸2日後に内閣改造を控えていた影響は少なからずあったでしょう。最初に関係省庁の災害対策会議が開かれたのは、台風上陸から33時間たった10日の14時半。過去の大型台風直撃時には上陸前から対策会議を招集していたのに、今回は事前会議が開かれなかったんです。
千葉県鋸南町

館山市ではガソリンスタンドが倒壊して営業不能に

 そこには千葉県の対応のマズさもありました。県が災害対策本部を設置したのは、大規模停電発生から丸1日以上すぎた10日9時のこと。その前から国交省は『災害支援のために人を送ろうか?』と2度にわたって確認したようですが、県は『大丈夫』と言い続けていたようです。  だから、経産省の停電被害対策本部の設置も13日にズレ込んだ。政府の災害対策本部に至っては今なお設置されていません。県が被害状況の把握に手間取った影響は非常に大きい」  背景には地理的な要因や政府の電力政策の問題もある。元内閣参与として国土強靭化を唱え続ける京都大学教授の藤井聡氏が話す。 「千葉県は太平洋側に膨れ上がった形の半島になります。にもかかわらず、国土交通省の出先機関をはじめ、主要機能が東京湾岸地区に集中している。だから、目の行き届かない“陸の孤島”が発生しやすいんです。今回の被害をなかなか把握できなかったのもそのため。  一方で、停電被害が長期化した背景には電力政策の問題もある。’95年の電力自由化以降、大手電力会社の設備投資が激減したのです。’95年以前は4.3兆円あったのに、自由化後には1.3兆円にまで減りました。加えて、電力会社は震災以降の原発停止によって、ますます利益が出にくくなってしまった。  その結果、内部留保金を食いつぶす状態に陥り、電柱・電線の地中化などに投資する余裕がなくなり、今回の停電被害の長期化の重要な遠因となったのだと見ています」
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森田健作知事の対応にも不満噴出
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