仕事

「この服、胸が大きく見えちゃう」と職場女性が発言。セクハラにならない返し方は?

飲みの場でのセクハラ また最所氏は、「そもそも女性からそのような発言がなされてしまう職場環境自体を疑ってみる必要がある」と語る。 「仮に職場において、女性の体型が常に問題とされているような状況があったとした場合。女性が発言する前に『最近太ったんじゃない?』といった発言があったとか、男性同士の会話で『女性は痩せてないと駄目だよね』といった会話がなされていたとすれば、すでに“環境型セクハラ”が疑われる状態に陥っている可能性があります」

他人からの“不愉快のサイン”を見逃さないことが重要!

 社会通念上アウトではない言葉であれば、そこまで気にしなくていいようだ。とはいえ、特に男性側はセクハラに対する認識が甘いことも多いという。 「男性側がセクハラ発言に対して麻痺していることは多々あります。女性のほうは無理をして話に合わせてくれている場合が多く、それを男性側が『大丈夫』だと勘違いしている場合があります。女性が不愉快に感じれば、必ず何らかのサインを出しています。『もうセクハラですよ~!』と笑いながら言っているからといって、受け入れているわけではありません。それを単なる冗談とか場を盛り上げるために言っていると思わないこと。  また、『この人だから言っても大丈夫だろう』というのも大きな間違い。たとえ直接の受け手が気にしていなかったとしても、周囲には仕事上のストレスになっていることだってありますから」  相手を傷つける言葉でなければむやみやたらに気を使わなくてもいい。だが、たとえお酒を飲んでいたとしても、他人への気遣いを忘れずにコミュニケーションすることは必要だ。 【弁護士 最所義一】 神奈川県弁護士会所属。東大農学部卒業後、病院勤務を経て、中央大学法科大学院修了。ITと医療分野に詳しい。ネット上での誹謗中傷、名誉毀損問題に取り組んでいる。 <取材・文/すずきおさむし>
1
2
おすすめ記事