トヨタ クラウンエステート アスリートV プレミアム 新車価格:約422万円
1999年にトヨタが発表したクラウンエステートは、十数年ぶりにフルモデルチェンジされたクラウンのワゴン車ですが、同時に最後のクラウンワゴンとなってしまった存在です。一見すると、ただの古いクラウンに見えますが、このクルマにはファンが多く、「エステートから、エステート」というように同型車を乗り換える人も珍しくないようです(ディーラー整備士談)。
走行距離14.6万kmで購入のクラウンエステート
その中でも、アスリートVというグレードには、ヤマハが開発を担当した直列6気筒のターボエンジンが搭載。このエンジンは、同世代のマークII 3兄弟やソアラにも搭載されていましたが、これを積むグレードはいずれも中古車相場が高い傾向があります。
.5リッター直6ターボエンジンを搭載するアスリートV
クラウンの場合、特に後期型が人気なのですが、エステートは全体的に過走行な個体が多くそういった車両でもなかなかの高値。走行距離が10万km未満といった個体の場合、後期型のアスリートVとなると中古車価格は現在でも100万円以上といった感じです。
しかし、私はとある北関東のトヨタ系ディーラーで、この後期型アスリートVが安く売っているのを発見。それだけでなく、人気色であることや、プレミアムという特別仕様車だった点も好印象。走行距離は約15万kmでしたが、3年保証を付帯させた総額が50万円。当然、即決しました。
ディーラー系中古車で約15万kmといった個体が並ぶことはほぼありません。過走行は通常、良い条件とはいえませんが、「ディーラー3年保証付き」となると逆にレア物件、「奇跡の1台」となるわけです。
アスリートVは人気かつ高値
ちなみに、納車の際、担当者が気を利かせてくれて、ウォーターポンプなど高価な部品を交換してくれました。
そういったこともあって、走行に支障をきたす不具合は今にいたるまで全くなく、機関も足回りもかなり良い状態を保っています。ミラーが動かなくなるなどの不具合がありましたが、それらはすべて保証で無償修理ができたため、全くもって問題ないといえます。
最後に、ディーラー系中古車を購入するにあたっての注意点ですが、同じブランドの中古車ディーラーでも、地域差がかなりあるという点を意識したほうが良いでしょう。
例えば、トヨタ系ディーラーの場合、関西地方のお店は、「見に来ることが可能なら、遠方でも販売可」という表記を見かける一方、東海地方のお店は「指定した県内にお住まいの方限定」といった表記があります。
私がレパードJフェリーを購入した関西の日産ディーラーも、クラウンエステートの北関東トヨタディーラーも、そういった制限がなく、条件が厳しくない店舗だったようです。
購入時走行距離1万kmのレパードJフェリーと14.6万kmのアスリートVの書類
また、購入後に整備を担当してもらうディーラーですが、それもまた、店舗ごとに大きな差があるといえます。
クラウンエステートの場合、オイルキャップ付近からオイル漏れがあった(このエンジン搭載車ではよくある現象)のですが、ある店舗では、交換する必要がないと言われた一方、他の店舗に持っていくと、きっちり保証で交換してくれました。
そういったことは、ディーラーの担当者自身も把握しているようで、「お客様によって、店舗との相性があります」と言われたほど。そのため、ディーラー系中古車は、手厚そうな保証が安心ですが、その保証を適切に使うには、店舗を吟味する必要があるようです。
いずれにしても、モノや情報が多い現代の時代、何を行うにも「目利き力」が重要だと思います。何も考えないで買ってしまうと、チープな割に高い価格のモノを買うといった消費になるでしょう。その反面、目利き力があれば、上質なのに安いといったモノを購入することができるわけです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、
「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『
腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『
もう新品は買うな!』がある