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今さら聞けない「ふるさと納税」の仕組みと賢い使い方

 テレビCMでも流れているので「ふるさと納税」という言葉を耳にしたことがある人は多いだろう。しかし、きちんと理解して活用しているだろうか?  そもそもふるさと納税は、地方から都会に就職した人が、「納税する際に少しでも地元に納めたい」というニーズに応える形で発足した制度だ。2008年から実施され、数年は3万人程度しか使われなかったのだが、2015年から確定申告をする必要がなくなったので爆発的に広まった。これは消費者にとっては得になる制度なので、まだの人は存分に活用して欲しい。
ふるさと納税

本来は自分のふるさとにも少し納税するという趣旨の制度

誰でもわかる「ふるさと納税」の仕組み

 ふるさと納税は、実際は自治体への寄付となり、その寄付金から自己負担額2000円を除いた金額が所得税や住民税から控除される仕組みだ。その際、寄付したお金を利用する用途を選択できるのも特徴。もちろん、納税する自治体が出身地じゃなくてもOKだ。  最大のメリットは、寄付への返礼品を自治体からもらえること。地域の名産品などが送られてくるのだ。ということは、2000円の自己負担はあるが、納税する金額はどこにしても変わらず、返礼品がもらえるということ。普通に納税するだけでは何もないが、ふるさと納税を使うと明らかに得だということがわかるだろう。  だったら、すべての税金をふるさと納税にしたくなるが、もちろん上限額が決まっていて、総務省のサイトに公開されている。例えば、給与収入が500万円の独身もしくは共働きであれば6万1000円、700万円の夫婦であれば8万6000円が控除の目安となる。
ふるさと納税

総務省のサイトに表が掲載されている

ふるさと納税サイトでショッピング感覚で選ぶだけ

 ふるさと納税で得られる返礼品は、ふるさと納税サイトで一覧でき、そのまま寄付もできる。あくまでも寄付なので、価格という表記はしていないが、ネットショッピングサイトのように利用できる。  肉や魚介、果物、野菜といった食材や地場のお酒やスイーツ、工芸品まで品揃えは豊富だ。旅行券や食事券なども豊富に揃っている。ショッピングのノリで見るとやや高く感じるかもしれない。これは返礼品の割合が納税額の3割までと決まっているからだ。  1万円納税されて1万円の品を渡していたら、せっかくの税収がゼロになってしまうので意味がないので、3割という制限が付いているのだ。しかし、どちらにしたって税金で納める金額内で購入するのだから、感覚的にはタダで手に入る。やはり見逃す手はない。  テレビCMが印象的な「さとふる」では、全国の返礼品を扱っている。週間(11月22~28日)のランキングトップは北海道紋別市で「特大本ズワイガニしゃぶしゃぶセット(たっぷり1kg・極太5Lサイズ)」、寄付金は2万2000円だ。2位は「オホーツク産ホタテ玉冷凍(1kg)」、3位は和歌山有田産小粒みかん約5kg」と続き、23位までは食べ物がランクイン。ちなみに24位は「アサヒスーパードライ」だった。
ふるさと納税

ふるさと納税サイトでショッピングするように寄付先を選べる

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控除を受ける手続きは難しい?
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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