ニュース

安倍内閣の緊急事態宣言による自粛の強要は、日本国民を使った動物実験だ/倉山満

権力行使に酔いしれる政府に、地獄へ落とされたくなくば、国民は内閣を倒すほか道はない!

 官僚が欲する最大の欲求は、権力欲である。色欲物欲金銭欲のような欲求よりも何よりも、出世と権力を求めるのが、官僚である。  たとえば文科省という、自分たちを二流官庁と思いあがっている五流官庁がある。文科省の中の旧文部省は、公務員試験をビリで受かった落ちこぼれが行く官庁である。科学技術庁は文部省と合併したので、霞が関最下層の五流官庁に転落した。そんな五流官僚でも、権力は握っている。文部の主要監督対象は大学である。文部官僚の一声で、ほとんどの大学は右往左往する。なけなしの予算を恵んでもらうために、全国津々浦々の大学学長が東京の霞が関に通い、文科省の木っ端役人に頭を下げる。大学教授にはノーベル賞受賞者もいるが、平気で頭を下げさせる。それが官僚の心性だ。  つまり官僚とは、「民間人に権力を使って命令するのが快感」という人種なのだ。しかも今回の緊急事態宣言は、ただ「緊急事態を宣言する」だけで、法律上は強制力を伴わない。だから、国民に外出や商売をやめさせながら、金銭的補償を行う義務は無い。それでいて、「要請」と称して「自粛」を強要する命令だ。従わなければ、容赦なく権力を使って、あるいは無知蒙昧な「自粛自警団」を利用して、制裁を加える。  義務を何一つ果たさないで、権力だけ振るえるのが、今回の緊急事態宣言だ。官僚は、一日でも長く続いてほしいに決まっている。  自民党の政治家は、どうか。今や安倍首相は一部の側近だけで政治を進めている。安倍は、首相秘書官兼補佐官の今井尚哉の言いなりだ。今井は煙たい菅義偉官房長官を失脚状態に追い込み、加藤勝信厚労大臣や西村康稔経済再生大臣といった、手下の政治家を従えて首相官邸を切り回している。(大臣が選挙で選ばれていない官僚の言いなりになるのも、おかしな話だが……)  もはや形骸と化した安倍首相だが、それだけに地位への執着は、妄執と化している。一体に何に怯えているのかは知らない。ただ、検察が絡む案件であるのは、間違いない。  河井克行前法相と妻のあんり参議院議員は、公職選挙法違反の容疑で逮捕寸前だ。もし、このコロナ騒動が無ければ、とっくに牢屋の中だ。疑惑は、選挙投票日直前に振り込まれた1億5千万円に向けられている。こんな額、投票日直前に振り込まれても、使いきれるはずがない。マトモな使い方なら。だから、検察は裏金に使ったのではないかと疑惑を向けている。「法務大臣の公職選挙法違反」だけでも大事件だが、そこに現職総理大臣が絡んでいたとしたら? 間違いなく、政権は飛ぶ。  危機においては政争を中止するのは当然だ。だが、それを悪用したら、権力者は反対派を封じることができる。また、己の権力を維持するために、あえて危機を続けさせた例など、歴史上いくらでもある。最近だと、東日本大震災の時に当時の菅直人首相が、原発事故を煽りまくった。  さて、ここまで聞いて、疫病対策や経済政策など、考慮の外であるのがおわかりか。コロナウイルスの実効再生産数が2.5だったので、1より下に下がらねばと自粛を強要された。結果0.7となったが、延長された。延長自体が目的なのだから。  こうした状況を見て、敵国が笑い転げている。日本は亡国前夜だ。  もはや国民が殺られる前に、生き残る道は一つ。増長する安倍内閣を殺処分するしかない!
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

噓だらけの日本古代史噓だらけの日本古代史

ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作は、日本の神話から平安時代までの嘘を暴く!

1
2
おすすめ記事