自民党が今後も常に与党で、公約泥棒も失政も許されるなら、独裁国と変わらない/倉山満
この局面で正論を吐いている人物がいる。
国民民主党の玉木雄一郎代表だ。
玉木氏は昨年の参議院選挙後に「私は生まれ変わった」と宣言、確かに正論を吐き続けている。記憶に新しい国民一律給付金10万円も、最初に言い出したのは玉木氏だ。経済にしても安全保障にしても、口の悪い向きからすらも「最近の玉木は違う」との評価が聞こえてくる。
ちなみに御本人にインタビューすると、「もともとの本音を言っているだけ」とのことだったが。
野党界隈で言論の自由が無いのは、容易に想像できる。定型文のような安倍批判を続ければ一定の支持を得られて野党第一党ではいられるのだが、絶対に自民党は倒せない。しかし、それで満足な連中が旧民主党以来の中枢を占める。だから、安倍内閣に国政選挙で6連勝など許し、全く反省がないまま同じ戦い方をしているのだ。そして、従来の野党は、よりによって安倍内閣の正しいことだけを批判してきた。他にいくらでも攻撃材料などあるにもかかわらず。
こうした中で、玉木代表がコロナ騒動での不手際に対し正論をぶつけ、次の選挙を「減税」で戦おうとしているのは明らかに正しい。ここで昔のイギリスの政治家なら、「玉木君、君は正論を言い続けてきた。あなたを総理大臣候補として戦うのが正しい」と野党幹部がこぞって推戴しただろう。しかし、枝野幸男とその取り巻きに英国流の紳士を求めても、無駄か。
むしろ、「減税」に反応しているのは、自民党だ。今の支持率が下がりっぱなしでレイムダックの安倍内閣で選挙をしたい人など、少数だろう。だが、自民党の本音は「枝野なら勝てる!」だ。これだけの失政を重ねても、「枝野がマトモな野党の出現を阻止してくれる」という、自民党にとっての大いなる希望が存在するのだ。そして、戦術的には、「野党がまとまらない内に解散」を仕掛けたい。早い内に安倍首相を降ろし、新内閣がボロを出さない内に選挙を終えてしまいたい。
そして、最も勝ちやすい旗印は減税だ。ここまで増税で国民を苦しめてきた自民党が、何を減税か。常識で考えれば、選挙民への裏切りである。選挙に負けるのが怖いからと反対党の公約を奪うなど、卑劣である。しかし、これまでは「マトモな野党が無い」で自民党は許されてきたし、このままだと何も変わらないだろう。
皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売
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