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No.1キャバ嬢に学ぶ「自分らしさ」とは?

人の影響があってはじめて気づくこと

 この時の彼女の心情は「自覚」です。彼女はもともと「キャラ作りするのは窮屈だから素の自分を出したい」と考えていました。そして、それをお客さんに指摘されたことで、実際に素の自分を出すようになりました。このように自分が抱えた想いを誰かに促されることで、人は決断や行動ができるようになります。  彼女が「素の自分を出したら」とアドバイスされたのは一度だけではありません。新規のお客さんを呼び込む入り口になったSNSも、「最初はイヤでしぶしぶ書いていた」と言います。その時も、彼女は「ブログの内容がおもしろくない。もっと素のエンリケを出したら」と友人にアドバイスされました。  このアドバイスがきっかけで、猿の着ぐるみを着たり、変顔をしたり、踊ったりする、「本来のひょうきんな自分」をアップするようになったところ、キャバクラ専門のブログランキングで全国1位になりました。また、普段からお店で披露していたシャンパンの直飲みを動画としてアップしたところ、17万回再生されました。  こうした経験を通して、彼女は「とにかくその場を盛り上げることが自分らしさだとわかった」と言います。このように自分らしさとは、誰かと接している時に見つかるものです。部屋にこもって自分一人で考えていても、自分らしさはわかりません。  私たちは自分らしさを「明るい」「粘り強い」「社交的」「客観的」といった形容詞で探しがちです。しかし、そうした分析をしても、しっくりした答えは出てきません。そうではなくて彼女のように、「同伴のお客さん」や「友人」や「SNSのフォロワー」といった誰かと接している時の自分を振り返ると、そこに自分らしさが見つかります。  つまり、自分らしさは形容詞で見つけるものではなく、実際の人間関係から見つけるものだということです。特に仕事の場合、自分のお客さんが自分らしさを見つけるきっかけになります。彼女の体験はそのことを物語っています。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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