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『鬼滅の刃』の炭治郎はなぜ人を救えるのか? ロジカルに分析してみた

『鬼滅』の鬼滅らしさは炭治郎の慈悲にある

 炭治郎の共感能力は超人的です。彼は相手のちょっとした言動を見逃さずにつかみ取り、類似している自分の体験を思い出し、その時に考えたことをわかりやすいフレーズにして相手に伝えています。しかも、それが味方だけでなく、普通なら恨みの対象になっておかしくない敵の鬼にまで及んでいます。とんでもない慈悲の心の持ち主です。  炭治郎は鬼に対して、「人を殺したことは許さない」と討伐しつつも、鬼にならざるをえなかった境遇を憐れみます。そして、その憐れみによって鬼たちは最後の最後で人間性を取り戻して死んでいきます。味方だけでなく敵の心まで救う展開は、『鬼滅の刃』が持つ他の作品ではあまり見られない特徴です。  人生において正論が意味をなさない場面は山ほどあります。「こうすればいい」「そんなことするべきじゃなかった」といった誰でもわかる理屈よりも、その人がなぜ苦しんでいるのか、なぜ悲しんでいるのかに思いを巡らせて、自分に浮かんできた言葉が伝えた方が、相手の心を軽くします。『鬼滅の刃』はその大切さを、物語という価値でわかりやすく教えてくれます。人気になるのもうなずける作品です。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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