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菅総理はサラリーマン的に“人事”で脅す。笑うしかない裏側に迫る<前編>

石破茂氏が菅総理をバッサリ

――石破茂議員が「かつて日本の政治家にあった見識が現在失われている」と言っていましたね。 内山:石破議員は「政治はどうあるべきか」「政治家は何をすべきか」という建前をしっかり持っている方です。立憲、すなわち憲法に則った民主的な政治を行うのであれば、きちんと議論をして結論を出すのが当たり前ではないかと思うのですが、そうではなくなってきている。 冒頭に上西充子法政大学教授が菅首相の答弁は「※ご飯論法」であることを答弁のVTRを見ながら解説するシーンがあるのですが、野党議員からの質問に答えているようで答えていない。これではきちんとした議論になりません。石破議員は、そういうことをする政治家は、昔はいなかったと言っているんです。 ※ご飯論法:閣僚や官僚の答弁の論点ずらしやごまかしを指す言葉 「朝ごはんを食べましたか?」という質問に「(朝、パンは食べたけど、お米のごはんは)食べていない」と答えるような手法。パンは食べたけど、お米の「ごはん」は食べていないから嘘をついたわけではない、と言い通す論法。

サラリーマン的に「人事」を武器にする

パンケーキを毒見する

©2021『パンケーキを毒見する』製作委員会

――映画全編を通して菅首相の「質問に対して答えない(自分の言いたいことだけを言っている)」という姿勢が、そのまま政治手法にもつながっているのではないかと思いました。 内山:全体としてやはり場当たり的な印象はありますよね。ついこの間も西村康稔経済再生担当相が、酒類提供停止に応じない飲食店に対して、金融機関との取引停止などを通して法的根拠のない圧力を加えようとしていたが話題になりましたが、「コロナが流行しているのであれば、もっと厳しく取り締まればいい」というような短絡的な発想を菅内閣全体で共有していることの表れのようにも感じます。  やはり、自分の権力の保持のために政治をやっているのではないかと思ってしまいます。本編中でも多くの証言者が語るようにサラリーマン的に「人事」という武器を握って官僚たちを動かしていることにもそのスタンスが窺えます。組織のトップに立ったことのない元官僚や内閣情報調査室長の経験者などを重用していますが、リーダーシップよりも組織を統制できる実務能力を重視しているといったところでしょうか。  だから少しでも自分の意見と違う人が出てくると「取り締まればいい」という発想になる。でも、その対応は国民感情とはずれたものです。今はその乖離がどんどん激しくなっており、支持率も急落しているという状態でしょう。
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「値下げの政治家」と人気取り
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