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<本当にあった悲惨なキャンプ>息子の友達のパパは壮絶な嫌味を言うオシャレキャンパーだった

皆が皆、オシャレを目指すワケではない

 だが、キャンプをする者が皆が皆、オシャレでカッコイイキャンプを目指しているワケではない。キャンプ歴3年、都内在住の会社員Fさんは苦笑交じりにキャンプ場で起きた話をしてくれた。 「いろんなメーカーから、珍しくてカッコイイキャンプ道具が出ていることは知ってますが、私は手頃に買えてメンテナンスも楽なものが一番だと思っているので、コールマンを愛用しています」  Fさんはテントやランタン、シェラフ、コットなど、キャンプ用品は手頃に買えて丈夫なものを選んで買っているという。そのため、多くがコールマンやユニフレーム、フィールドアなど、量販店で買えるモノで揃えているという。 「昨年の夏、息子が小学校でキャンプの話をしたところ、『オレの家もキャンプ行くよ』とか『ウチも行ってる!』という話になって、じゃあ、皆でグルキャン(※グループキャンプ)しましょうと。それで、子供を通して親のLINEを交換して〜みたいな流れになって、3家族で行ったんです」  キャンプ場で初めて会った息子の友達のパパは、バリバリのアウトドアスタイルに身を包んでいたという。 「2人ともすっごいオシャレで、うわ〜気合い入ってるなぁって。設営したんですが、もう、すごいオシャレなんですよ。まぁ、ウチはウチ、あっちはあっち。そんなに気にしてなかったんですけどね……」

パパ友から受けた壮絶なマウンティング

 そんなFさんの気持ちとは裏腹に、2家族の片方、A君のパパからFさんは心ない言葉を掛けられることとなる。 「会った時からなんとなく小馬鹿にするような視線を感じていたんですが、設営した後にいろいろ見ながら『へ〜こんなの使ってんスね』とか、『ランタン、ガスなんですね。僕もコールマンのランタン使ってんですけど、ビンテージで3万円したんですよ』とか。  私も『珍しいギアもいいなぁ〜と思うんですけどね、私は手頃に買えるのがいいかなぁって』とか、適当に返してたんです」  Fさんなりの美学を話してシレッと交わしたが、A君パパはことあるごとにマウントを取ってきたという。 「夜、焚き火をやったんですが、3家族、それぞれの焚き火台を並べてやったんです。そしたら『写真に入るから少し離してもらえますか』とか『焚き火台ってずっと使うから、ここにこだわりって出ると思うんですよ』って。  ランタンのこともまた言い出して、『やっぱランタンってガスじゃなくて、ガソリンをシュポシュポするところからキャンプが始まると思うんですよ』って」  その後もA君パパのマウントは止まらず、「キャンプって時間を有意義に過ごすためにやってるものなんで、こだわってナンボじゃないですか」など、あからさまにFさんを腐す言葉を連発。さすがに頭にきたFさんは、酔ったフリをして先に寝てしまったという。  嫌な気持ちになりつつも、家族がいる手前そういったことは言葉にも表情に出さず、なんとかその場を耐え切ったFさんは、もうA君一家とはキャンプに行かないと決めた。しかし、その場が終わったからといって、A君パパのマウンティングは終わらなかった。 「A君のパパ、A君ら子供たちに私のことを『コールマン』って呼んでるらしいんです。それを教えてくれたのは、一緒に行ったもう一方の家族であるBさん。Bさんもあの日のことがとても嫌だったらしく、『あんな嫌味な人とキャンプは二度と行きたくない』と」  何のためにキャンプに行くのだろうか。その目的は人それぞれ。だが、持っているモノでカッコイイ、偉いなんてことはないのではなかろうか。 取材・文/日刊SPA!取材班
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