「野生のラッコに会いたい」北海道に殺到する迷惑観光客…“常識外れの行動”が問題に
いつでも会えると思っていた。でも気づけばラッコを愛でられる水族館は日本に2館しかない。なぜそうなったのか、これからどうなるのか、最前線をリポートする。
北海道は釧路駅から花咲線の電車に乗り込み、窓の向こうに広がる湿原を眺めながら1時間強揺られると、モンキー・パンチの故郷として知られる浜中町に辿り着く。
茶内駅もしくは浜中駅で下車し、車で20分ほどのところに霧多布岬はある。太平洋の荒波に突き出した、標高40~50mの海蝕崖のその下に今、野生のラッコが定住しているのだ。
快晴に恵まれた取材当日は午前10時の時点で多くの観光客で賑わっていた。駐車場から岬の突端を目指して歩いていく。
すれ違った人が「アザラシしかいない」と独りごちて不安が募る。いくら海面に目を凝らしてもラッコはおらず、泣く泣く引き返すと、もといた駐車場近くの遊歩道に人だかりができていた。
「いる、あの崖の下!」
「本当だ、ラッコの親子だ!」
ラッコに沸く人たちの視線に合わせて双眼鏡をのぞくと、子を腹に載せて浮かぶ母ラッコが見えた。波に身を委ねて揺れる姿に多くの人が「かわいい!」と歓喜の声を上げた。
野生ラッコが定着しているという、「霧多布岬」へ行ってきた
「かわいい!」ラッコの親子に沸く人々
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