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「射精まで10分程度」障害者の性介助サービスを行う40代女性が語る、“やりがい”を感じる瞬間

ケアの料金は30分5000円

――ケア料金は、提供者が自分で自由に設定するかたちで、ほとんどのケアスタッフの方が30分5000円で設定されているそうですね。2年目以降、提供者も登録年会費1万1000円がかかることやサービス内容を考えると、割安な印象ですが。 鈴木:私も含め登録されている方の多くは、やりがい重視でこの仕事をされているのではないでしょうか。ただ、完全にボランティアというかたちですと仕事への意識が下がる気がして、私も同額(30分5000円)をいただいています。 ――ご家族にお仕事のことを話していますか。 鈴木:私はシングルマザーで大学4年生と専門学校2年生の娘がいますが、2人ともに射精介助の仕事をやっていることを話しています。自分の仕事に誇りを持っていますし、世の中にこのような仕事があるということを知っておいてほしいので。もし娘の友だちなどに障害があって性に関する問題を抱えている方がいれば、お役に立てることがあるかもしれませんし。

娘2人にもオープンに話す

介護鈴木:以前、障害者の母親が息子の性的な欲求を満たすために性行為の相手になっているという話を聞いたことがあります。息子の欲求が溜まってくるとコントロールができないので、やむを得ず相手をしていると。それを聞いて凄くショックだったんです。もし自分に障害のある子どもがいて、同じような状況に立たされたら…と考えると、他人事とは思えなくて。介護の仕事に携わるなかで、障害者や高齢者の性に関わる問題がまだまだ顕在化されていないと感じており、もっと性の問題がオープンに語られるようになるといいなと考えています。 ――性の問題がよりオープンになるために必要なことは何でしょうか。 鈴木:まず学校での教育が大事だと思います。性は、「いやらしいこと」「恥ずかしいこと」ではなく、「当たり前のこと」として認識されるべきです。そして、射精介助など性的なケアが生活の質の向上や、身体の機能の維持のために必要な介護の一環として組み込まれるとよいのではないでしょうか。陰部洗浄やオムツ替えは普通に行われているのに、なぜ性的なケアは行われないのか……と思います。  性欲が「触れていけない問題」として隠されるのではなく、睡眠、食欲と同様に、満たされる社会になってほしいです。そうなると、当事者だけでなく周囲も、より穏やかに、幸せに生きられると思います。 <取材・文/秋山志緒>
大阪府出身。外資系金融機関で広報業務に従事した後に、フリーのライター・編集者として独立。マネー分野を得意としながらも、ライフやエンタメなど幅広く執筆中。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter):@COstyle
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