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「若者は飲みに行かない」は大間違い。“急に誘われる”のが嫌なだけ

 泉澤恵一朗と申します。20代専門の人材紹介サービス会社を経営するかたわら、若い世代の仕事観に関する情報を発信しています。 “今夜、飲みに行こうよ”  あなたも部下に対して、このようにコミュニケーションを取ったことはありませんか?  いわゆる「飲みニケーション」に対して、多くの若者は内心複雑な思いを抱えています。「若者が飲みの場に来なくなった……」と言われますが、彼らが飲み会そのものを拒否しているわけではありません。  本質的な問題は、SNS時代のコンテンツの変化と、コミュニケーション価値観の変化にあります。今回は、若者がなぜ飲み会を避ける傾向にあるのか、その理由と上司が取るべきコミュニケーションの方法について探求します。

なぜ、若者は飲みたがらないのか?

泉澤恵一朗

泉澤恵一朗

 現代の若者が飲み会を避ける背景には、いくつかの理由が存在すると思いますが、一番大きな背景はSNSによるコミュニケーションの増加だと感じています。  LINE、InstagramにTikTokなど、Webサービスの進化とスマートフォンの普及によって人が接する情報量は圧倒的に増えました。一説にはその量は過去10年で530倍とも言われているそうです。  誰しもが発信者となり、誰しもが簡単にそのコンテンツにアクセスできるようになった現代には帰宅後の時間にやりたいこと、やるべきことがたくさんあります。  実際、転職相談に訪れた20代に聞いてみると、仕事終わりの時間は「友達と過ごす」「一人で静かにNetflix」「YouTube」「ジム」「サウナ」……こうした時間にあてている人が少なくありません。  今ではオンラインで無限に楽しめるコンテンツや、学べるツールも増えていますから、自宅での時間が充実していると感じる人が多いことも納得です。

自己研鑽やクリエイター活動に時間を使うZ世代

 こうしたSNS時代に生きる若者の中には、「プログラミングやビジネス学習などの自己研鑽」や「YouTuberやTikTokerなどで発信活動」をする人も増えています。  Instagramでは、1000人以上のフォロワーを持つ「ナノインフルエンサー」層は約3割にも及ぶと言われています。周りを見渡せば、数万、数十万人のフォロワーがいるインフルエンサーも珍しくありません。  転職支援をしている立場から面白いと感じるのは、このような活動がそのままキャリアにつながることもあるということです。  YouTuberやTikTokerが会社員以上に稼げる可能性があるだけでなく、マーケティングや広報PRポジションの募集要件の中には、こうした個人活動の経験を求める会社もあります。  終身雇用の崩壊など、だんだんと会社が個人を守ってくれなくなっている世の中で、自己研鑽やクリエイター活動に励むことは若者にとって一番の安定と安心の材料になっているのです。
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飲み会はあくまで雑談の延長線
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20代専門転職アドバイザー、株式会社デザイナー代表取締役CEO。1995年、大阪生まれ。キャリアアドバイザー兼ヘッドハンターとして過去2000人ほど、就活・転職相談に従事している。特に20代のキャリア支援には定評があり、26歳という若さで2022年には西日本ベンチャー100に選出される

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