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イマどき[おネエリーマン]の悲喜こもごも

 マツコ・デラックス、はるな愛、ミッツ・マングローブ……。おネエ系タレントの台頭で、市民権を得たかに思えるニューハーフたち。しかし一般社会、特にサラリーマンとして働くとなると、まだまだ苦難が多いのが実情だ。

「外資系企業だとカミングアウトして、逆にゲイネットワーウを駆使してトラバーユを繰り返す人は多いみたいだけど、日系企業はダメね」

オネエ

「オネエ」でありながら、サラリーマンとして生きるのはまだまだ難しい世の中のようだ

 そう話すのは、ある日系商社に勤務するYさん(35歳)だ。女子トークがしたいのに、飲み会ではくだらない男子トークをさせられるなど男性社会に馴染めず、完全に出世コースからは脱落してしまったという。

「団塊世代のオジサンたちの嫌悪感がとにかくスゴい。あるゲイ仲間が同僚に相談したら、上司に報告されちゃって、それから壮絶なイジメが始まっちゃったんです。こまかなミスも逐一、上に報告されるようになって、毎日のように机の中には嫌がらせのメモが。リストラ対象にもなっていて、あのイジメを見ちゃうと、カミングアウトなんて絶対にできません」(Yさん)

 そのため、Yさんは今でもカミングアウトできず、うつ病気味だという。

 一方、カミングアウトしてオネエリーマン生活を楽しんでいる者もいる。アパレル関連会社に勤める派遣社員のSさん(38歳)は「最初カミングアウトしたときは派遣切りが起きるかと思ってヒヤヒヤしたわ~」と話す。

「アパレル関連はゲイも多いからラブチャンスがいっぱい。前にゲイの開発部長と付き合っていたんだけど、おかげで部署も憧れの商品開発に異動させてもらって美容系の商品開発を担当させてもらったの。経費で海外旅行に行ったときなんて、一緒にヌーディストビーチで羽を伸ばしてね……最高だったわ!」

 また、オネエ好きのOLからも大人気。給湯室に呼ばれれば、新宿2丁目状態。下ネタトーク全開で、女性社員たちのハートをワシ掴みにしている。

「歓送迎会ともなれば、私の松田聖子メドレーがカラオケでリクエストされるの。他部署からの参加者が出るほど大人気なんです。今の会社の社風だから、カミングアウトして楽しくやっているけど、私も昔はカミングアウトしてクビになったこともあった。派遣だからやっていけるけど、本当にオネエリーマンは大変なのよ」(Sさん)

 派遣社員として生きることを決めたことで、気が楽になったというSさん。プライベートも充実し「休日は美大生を相手にヌードデッサンのバイトをしています」という。

 カミングアウトすることで、人生が大きく左右されるオネエリーマン。彼女たちにとってカミングアウトするべきかどうか。それは永遠のテーマなのである。 <取材・文/甲斐仙一>




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