米国に巣食う「日中対立」を煽る勢力【孫崎享×田中康夫】Vol.4
尖閣諸島をめぐる中国の反日運動はおさまらず、一向に出口が見えない。一体どうすればこの問題は解決できるのだろうか? その方法を探るべく、新党日本代表・田中康夫衆院議員が、国際情勢の裏事情に精通する孫崎享氏を直撃!!
⇒Vol.3『中国が攻めてきても米国が動かない理由とは?』
https://nikkan-spa.jp/313551 ◆日中対立を歓迎する勢力が米国にある
孫崎:米国には尖閣問題に火をつけたがっている人たちもいます。例えば国防総省の日本部長だったケヴィン・メアは、「だからF-35戦闘機を買え」と言っている。1機あたり150億円です。尖閣問題は日本に武器を売りつける大チャンスなんです。オスプレイ配備を日本に認めさせることにも使えます。石原さんの発言も、日中対立を歓迎する勢力との関係を抜きにしては語れないと思うんですよ。
田中:非常に複雑な動きの中で、日本が失いつつある国益を取り戻すにはどうすればいいのでしょうか。「とにかく中国に謝りましょう」っていう“媚中”も、「日本が絶対に正しい」っていう“嫌中”も、感情論にすぎません。冷静・冷徹な第3の道を選ばなければ。
孫崎:私は3週間ぐらい前に中国のCCTVに出演して「紛争を避ける知恵を持っていた、周恩来や鄧小平の時代に戻ろう」と訴えました。そうしたら、中国の要人たちがかなり好意的な反応を示したんです。「日本との対立は国益を損ねる」と考える中国人も多いのではないでしょうか。同じく、日本人に対しても「田中角栄の英知に戻ろう」と呼びかけたい。歴代の保守政治家には、「中国の良質な部分と連携することが国益になる」と考える人たちがいたことを思い出すべきです。
田中:まさに安倍晋三さんのお父さんはそうした外交をやってきたわけですから、そこに安倍さんも学ぶべきなのですけれどね。中国が改めるべき点は多々あるし、一党独裁のもとで資本主義をやっている矛盾はいつか表れます。だからといって、もはや日中の経済的関係はゼロにはできないし、米国の対日輸出額が対中輸出額を上回ることもない。そういう前提に立って、日本がどう歩むべきかを冷静・冷徹に考えねばなりません。
【田中康夫氏】
’56年生まれ。衆議院議員、新党日本代表、作家。長野県知事、参議院議員などを歴任。著書に『田中康夫主義』(ダイヤモンド社)など。www.nippon-dream.com/
【孫崎 享氏】
’43年生まれ。’66年に外務省に入省、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授などを歴任。著書に『戦後史の正体』(創元社)など
― 国益を最大化する[尖閣問題]の対処法【4】 ―
https://nikkan-spa.jp/313551 ◆日中対立を歓迎する勢力が米国にある

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