ド底辺グラドル・小明、自腹でグラビア撮影をして雑誌社に売り込み!?
―[ド底辺グラドル・小明]―
「自分でセクシーグラビアを撮り下ろしたので宣伝したいんですけど……」
卑屈な態度で日刊SPA!に売り込みをかけてきたのは、フリーのアイドル・ライターの小明さん。2014年でアイドルデビュー12年目を迎えるが、めっきりアイドルとしての仕事が減って、専業ライターに近付きつつあるのが現状だ。危機感を持った彼女は最近、雑誌掲載の当てもないのに自腹でグラビア撮影をしたと言う。
そんな小明さんが2013年12月22日放送の『有吉反省会』に登場、久しぶりに地上波テレビ出演を果たした。しかし、この番組を見たことのある人ならお分かりだろうが、真っ当なアイドルとして呼ばれた訳ではない。ある反省をするためにスタジオへと向かったのだ。
ある反省とは「私はグラビアアイドルとして売れずに、ゾンビになってまで芸能界にいることを反省します」というもの。そう、小明さんはゾンビの扮装をするアイドルとして、まさにゾンビのように人知れず芸能界で生き残りをかけていたのだ。
果たして前代未聞のゾンビアイドル誕生のキッカケとは?
⇒【前編】「『有吉反省会』出演秘話」
小明:2009年にゾンビ映画を中野ブロードウェイで上映しようってイベントがあって。その時に呼んで頂いたんです。せっかくゾンビ映画なんだから、トークする側もゾンビだったら嬉しいだろうと思ってゾンビメイクをしたのが人前に出た最初です。
―― 一種のサービス精神だったんですね。メイクは誰かにやって貰ったんですか。
小明:自前です。
――どうして自前でゾンビメイクができたんですか。
小明:『ショーン・オブ・ザ・デッド』ってゾンビ映画を見ていたら、急に自分もゾンビになってみたいと思ったんですよ。それから、いろんなゾンビ映画を見るうちに、頭の中がゾンビ脳になって。ただ蘊蓄を語れるほどゾンビに詳しくないので、だったらカタチから入ろうと、外見だけでも近付けようと考えたんです。それで舞台メイク屋の三善に行って、「ゾンビをやりたいんですけど」って店員さんに訊いたら、「この色と、この色を混ぜたら気持ち悪い」とか丁寧に教えてくれるんですよ。それでゾンビ用のメイク一式を揃えて、家で一人でメイクして楽しんでいたら、なかなか良い感じの仕上がりに盛り上がって。そうなると今度は人に見せたくなるじゃないですか。そんな時に渡りに船でゾンビ映画イベントがあったんです。
――本格的なメイクだから費用もかかっていそうですね。
小明:かかってます。メイク道具もそうなんですけど、白目にするためのコンタクトや血糊などを買うとバカにならないんですよ。
――ゾンビメイクの技術は、どうやって磨いたんですか。
小明:基本は独学なんですけど、仕事でプロのメイクさんにゾンビメイクをやって貰ったことがあって、それも参考にさせて頂きました。でも私好みのゾンビがあるんですよ。例えば、生前の原型は残したいとか、血の流れる場所はここだとか、微妙にこだわりがあるから、自分でメイクする方が私の思う可愛いゾンビになれるんですよね。生前は可愛かったんでしょうね、みたいな。
―― 生前の面影があるゾンビですか……。けっこうゾンビのオファーはあるんですか。
小明:そうですね。ゾンビゲームやゾンビ映画のイベントで、ちょっと女の子を呼びたい時に手近なのが私なんです。あと幾つかの雑誌グラビアでゾンビとして出させて貰ったし、映画も『ゾンビデオ』と『ヌイグルマーZ』にゾンビ役で出ました。もちろん賛否両論あると思うんですけど、なんだかんだ続けていたら地上波にも呼ばれた訳です。
――言わばゾンビアイドルの第一人者ですからね。
小明:ただゾンビロリータさんってグループが先にあるんですよ。
――深夜の音楽番組で見たことあります。でもゾンビロリータはバンドですからポジションも違うし。というか、やっぱり同じような存在は気になっているんですね(笑)。ゾンビの話はこれぐらいにして、自主制作でグラビアを撮り下ろしたのは、どういう経緯があったんですか。
小明:もう28歳だし、アイドルも11年やってきて、何となく今までとは違ったことをやりたくなったんです。それに今の私は性的需要がないんですよ! グラビアどころかAVのオファーもないし、道を歩いていてもスカウトされることもないし。たまに雑誌でグラビアの仕事が来るとゾンビじゃないですか。どれだけ私の本体は需要がないんだって話ですよ。だったらグラビアアイドルに原点回帰しようと。この年齢で再チャレンジして、どれぐらい戦えるのか力試しだと。それで自ら企画をして、お友達価格でスタイリストさん、ヘアメイクさん、カメラマンさんにお願いして、スタジオを借りて撮ってみたんです。
――お友達価格とは言え、かなりお金はかかりますよね。
小明:私にしてみたら大金でした!
――どういうコンセプトのグラビアなんですか。
小明:雑誌社に持ち込んだら、すぐに載せて貰えるようなクオリティで、ちゃんとエロさもあるグラビアを目指しました。そのためにエロ画像とかをネットで検索して参考にしながら、男の人はどういうのが好きなんだろうって研究しました。
――どこの雑誌社に売り込もうとか展望もなしに撮り下ろしたんですか。
小明:はい! ノープランで!! たとえ売り込みをしても、グラビア枠はAKBや大きな事務所に所属しているグラビアアイドルで埋まっているし、売れていないグラビアアイドルが入りこめる余地はないんですよ。なので完全に仕上げてから、誰かが原稿などを落とした時に「グラビアありますけどどうですか」って持って行こうと思って。
――グラビア自体が減っていますからね。
小明:そうなんですよ。だから、そこに入り込むためには全部、自分でやるしかないんです。
――DIY精神ですね。グラビアの仕事自体、いつからやっていないんですか。
小明:もう記憶にないですよ。(おもむろにスマホを弄り出し)ウィキペディアによると最後は2007年4月27日って書いてある……。日付からして「死にな」ってことですよ。
――グラビアアイドルとしての小明さんを葬り去るかのような奇跡の日付ですね(笑)。
小明:それから6年ですよ……。以前はグラビアアイドルって名乗っていたんですけど、もう言えませんからね。グラビアどころかアイドルの仕事もやっていないし。
――危機感を感じていると。
小明:危機感しかないですよ!
――でも小明さん主催のイベントをやるとファンが殺到して大盛況だと聞きますし、来年1月には先ほどお話に出た『アイドル墜落日記』が【増量版】と銘打って新装版で出るらしいじゃないですか。あの本は発売当時、話題にもなったし、増刷もされたんですよね。
小明:そうなんですよ。ずっと品切れになっていたので、ありがたい話です。ただ現時点で追加の原稿が書き終わっていないのでヤバいんですけど……。
――せっかくですから最後に、このインタビューを読んでいるかもしれない出版関係者に向けて売り込みをしましょうよ。
小明:年末進行で大変な時期ですし、どこかの雑誌社さんでページ埋めに困っていませんか~? 小明の撮り下ろしグラビアがありますよ! あとSPA!さんにも営業したいんですけど、『グラビアン魂』に出るのが夢なんです。みうらじゅんさん、リリー・フランキーさん、お願いしま~す!
取材・文/猪口貴裕
STYLING/Risa Yoshioka
HAIR&MAKE-UP/Ako Yanatori
PHOTO/尾藤能暢 北村ヂン(ゾンビ)
【参考書籍】
『【増量版】アイドル墜落日記』
洋泉社 1200円(税別)2014年1月25日発売
【小明(あかり)】
アイドル・ライター。2002年にホットドック・プレスのドリーム ガールオーディションで準優勝、華々しくグラビアデビューを飾るも即低迷。今は数 少ないアイドル業とライターやゾンビで細々生活中である。小明ブログ「小明の秘話」http://yaplog.jp/benijake148/出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターに。雑誌・WEB媒体で、映画・ドラマ・音楽・声優・お笑いなどのインタビュー記事を中心に執筆。芸能・エンタメ系のサイトやアイドル誌の編集も務める。
『【増量版】アイドル墜落日記』 グラビア界の底辺を生きたアイドル・小明が、日記形式で赤裸々に綴った4年間の絶望と復活の奮闘記 |
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