“第3のエコカー”ミライースの燃費を検証してみた
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
国内外の燃費がいいと言われる最新カーに勝手に戦いを挑み、そしてことごとく撃破してきた無敵の大和(ド中古の初代プリウス)。そんな大和に強敵が出現した! 自称“第3のエコカー”ミライースだ。戦前から今回は好勝負必死と思われていたが、果たして……。デミオ・スカイアクティブを倒した2気筒のチンクチェントも参戦し、三つ巴で戦ってきました!
◆初代プリウス VS ミライース VS FIAT500ツインエア
これまで数々のガチンコ燃費テストを行ってきた我がSPA!燃費取材班は、今回も2台のライバル車を持ち込み、比較テストを試みた。
1台は我らが無敵のエース「大和」。不肖MJがド中古で購入した初代プリウスだ。もう一台はイタリアの至宝・フィアット500ツインエア。900ccの2気筒+ターボで、私がやった他誌の燃費テストでは、あのデミオ・スカイアクティブをも撃破した猛者である。その時の数字は、驚くなかれリッター25.8km! イタリア人を陽気なバカばっかだと思ったら大間違いだ。
つーことで、3台揃って幕張を出発、高速を8km+混雑の激しい一般道を15km、計55分走ってみた。その結果は……。
フィアット/リッター18.1km
むむむ、前回より大幅に悪い。なんせ今回は平均速度25km/h。東京23区内の幹線道路の昼間の平均速度は22km/hだが、それに近かったのだ。それを前提に見ていただきたいのだが、大和/リッター22.4km
まあ、こんなもんか。ちなみに大和、この日杉並→幕張間では、リッター29kmを叩き出していた。
では、ミライースは?
ミライース/リッター22.5km
うおおおお! 無敵の大和が初めて敗れた! デミオ・スカイアクティブやフィットハイブリッドやプリウスαを撃破した大和に、僅差とはいえ勝ったのだ。すげえ! 今回はテクニック抜群の俺がミライースに乗ったってのもあるけどさ。
で、このクルマ、売れるか?
正直、ワゴンR・ムーヴ・タントの軽御三家を突き崩すほどは売れないだろう。軽のユーザーは7割が女性。女性は燃費もさることながら、車内の広さをより重視する。イースはそこそこの広さがあるが、女は必要以上に「小さいといっぱい積めないしぶつかったら怖い」と考えるので、ま、御三家の3~4割かな。
【結論】
これぞ究極のエコカー。節約に徹するならブッチギリでトップ! 地方でひたすら安いゲタを求める層には最適だ。しかし正直、夢や希望や最先端感はナシ。これを買うよりゃ電車に乗るな、俺なら。やっぱ見えっ張りの都会人だから。
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
この連載の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
まさに“着る扇風機”! 「送風ファン付きウェア」は猛暑の街着に最適だった
秋の行楽シーズン前に覚えておきたいマイカートラブルの処方せん
古紙専門誌『古紙ジャーナル』が注目する「水不要の古紙再生機」
川越工業高校がギネスに挑戦!今年のエボルタチャレンジは“手作り電車”で秋田・由利高原鉄道を往復20km【PR】
扇風機付き作業着「空調服」。石の上にも3年で大ヒット
原子力発電の割合は約78%。世界一の原発大国フランスのEV(電気自動車)事情
プリウスより60万円高の新型プリウスPHVは50年かかってもモトを取れない!?
ジャパン・クオリティの電動バイクを世界に。社員25名で熱く燃えるベンチャー企業
なぜ日本車は「ダウンサイジングターボ」で出遅れているのか?
フェラーリとパッソで走ること500km。燃費は3倍も違わなかった?
日産ノート販売1位は天変地異!平凡な実用車が無敵のプリウスに勝ったのはゴーン被告のおかげ?
S660とロードスターがあれば、これより速いクルマも高いクルマも不要なり
「ミニバン&ハイブリッド」中古車が安くなるわけ
ホンダ フィットは総合力が高い――300万円以下で買える、人気コンパクトカーを比較してみた【後編】
【アクア対フィットHV】燃費から走りまで徹底比較
この記者は、他にもこんな記事を書いています