「日本人は世界一繊細な味覚」は本当なのか?
「日本人の味覚は世界一繊細」「日本人は味蕾(味を感じる舌の器官)の数が多い」などとはしばしば言われる話。
果たして本当のところはどうなのか?
味覚や食の嗜好を研究する龍谷大学の伏木亨教授は、「そんな論文は見たことがない」と語る。
「うま味物質を舌で感じる閾値(いきち)を調べた実験でも、日本人と西欧人に差はなかったという報告があります。日本人の舌の機能が、特別優れているとはいえないでしょう」
10/20発売の週刊SPA!特集記事「[日本流はスゴい!]は本当なのか?」では、こうした言説の本当のところに焦点を当てている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
なお、味を判断する脳の働きは、文化圏により違いが出るという。
「例えば日本人は米や刺身なら細かな味や種類の違いもわかりますが、それは日常からよく食べる興味の強い食べ物だから。東京大学の梅崎昌裕先生の報告によれば、パプアニューギニアの高地の人々は主食のサツマイモなら約40種の味を区別できるそうです。彼らの立場からすれば、サツマイモの味も区別できない日本人の舌は鈍感となってしまうわけです(笑)」
味覚の優劣は、食習慣や食文化の違いでしかないのである。
巷に蔓延る「日本の◯◯は世界一ィィィィ!」的な言説。正直、世界一なら嬉しいには違いないが、本当のところどうなのか気になるものもある。
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